「即位の礼」海外メディアはどんな英語で表現した? 皇室ネタで英会話を学ぼう(井津川倫子)

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   天皇陛下の即位を国内外に知らしめる儀式「即位の礼」が執り行われました。まるで平安絵巻を彷彿させるような古式ゆかしき式典に、海外メディアも大注目! せっかくの歴史的なイベントを、英語で語ってみませんか?

   さまざまなニュースな英語の中から、「会話」で使える、アウトプットな英語をお伝えします。第1弾は「即位の礼」です。

  • 皇居では「即位の礼」が厳かに執り行われた
    皇居では「即位の礼」が厳かに執り行われた
  • 皇居では「即位の礼」が厳かに執り行われた

「即位の礼」を英語で言うと?

   まずは、基本の「キ」となる英語から。「即位の礼」は英語で、どう言えばいいのでしょうか? 海外メディアで目立ったのは、次の表現です。

the enthronement ceremony
(即位の式典)
enthronement:即位

the ceremony of accession
(就任・即位の式典)
accession:就任、即位

   なかには「The Sokui no Rei」とローマ字表記で伝えているメディアもありましたが、外国の方に伝える時は、「The Sokui no Rei , or the enthronement ceremony」(即位の礼、つまり即位の儀式)「or」を使って言い換えてあげると親切でしょう。「enthronement」「accession」は、いずれも「即位」を意味する英単語で、どちらを使っても意味はほとんど変わりません。ご自身が覚えやすいほうを選んで下さい。

   次に、「即位の礼」とはどんなものなのか。最も簡単に説明すると、次のようになります。

Japan's emperor proclaims enthronement
(日本の天皇が、即位を宣言する)
proclaim:宣言する

   これだけでも十分に伝わりますが、もう少し詳しく伝えたい方は、「雰囲気」や「時」をプラスしてみましょう。

Japan's emperor proclaims enthronement in ancient ceremony
(日本の天皇が、古来の儀式で即位を宣言する)
ancient:古来の、旧式の

Japan's emperor proclaims enthronement in ancient ceremony on Tue October 22 2019
(日本の天皇が、2019年10月22日火曜日に、古来の儀式で即位を宣言する)

   このように英語では、「~する」と簡潔に言ってから、「どこで」「どんな雰囲気で」「いつ」といった情報を後ろに継ぎ足していきます。

   日本語の語順とは異なりますが、慣れるととても合理的です。まずはシンプルな英語で結論を伝えることを優先しましょう。「時」や「場所」は「おまけ」と割り切って、慣れてきたら追加すればいいでしょう。

雅子皇后の十二単の「重さ」に言及

   「即位の礼」では伝統的な装束にも注目が集まりましたが、とりわけ雅子皇后の十二単姿を取り上げるメディアが目立ちました。パッと見ただけではわからない、「12枚の着物を重ねている」という事実が衝撃的だったようです。なかには「重い着物」と、わざわざ重さに言及した報道もありました。

Empress Masako was clothed in 12 layers of robes
(雅子皇后は12層の召し物を着ていた)
be clothed in~:~を着ている
layer:層

Empress Masako was dressed in a special multi-layered heavy kimono
(雅子皇后は、特別な何層もの重い着物を身につけていた)
be dressed in~:~を身につける
multi-layered:幾重もの、何層もの、重層の

   ハーバード大学とオックスフォード大学で学び、元外交官というバリバリのキャリアを持つ雅子皇后が、平安絵巻のような姿で現れたことがインパクトを与えたようです。「a former diplomat」(元外交官)とか、「a Harvard and Oxford-educated」(ハーバードとオックスフォードで学んだ) といった経歴を紹介すると、より関心を引くでしょう。

   ロイヤルファミリーの話題は、誰もが関心を示す「鉄板ネタ」です。ましてや、「外交官」も「オックスフォード大やハーバード大」も、万国共通で通じることばです。片言の単語でもいいので付け加えると、間違いなく会話が弾むことでしょう!

   「即位の礼」に関連したロイヤルファミリーネタをもう一つ。

   各国の要人が夫妻で参列するなか、英国のチャールズ皇太子はカミラ夫人を伴わずに一人で参列していました。「あれ、不仲になったのかな?」と不思議に思っていたら、英国のタブロイド紙に、その理由を見つけました。なんと、カミラ夫人は大の飛行機ギライで、日本への長距離フライトに耐えられない、というのが不参列の理由だったそうです。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「即位の礼」に関連して、会話に使える英語表現をいくつかご紹介しましょう。

Emperor Akihito abdicated on 30 April 2019
(明仁天皇は2019年4月30日に退位した)
abdicate:退位する

A celebration parade was postponed
(祝賀パレードは延期された)

The symbol of the state and of the unity of the people
(日本国及び日本国民統合の象徴)

   英語をマスターする時には、アウトプットが大切です。意識的に英語で話しをするチャンスを作って、スキルアップしていきましょう。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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