経理の人手不足解消と働くママに在宅ワーク提供 オンラインで「一石二鳥」のメリービズ

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地方では経理の人材難で倒産する会社も

   メリービズでは、独自に開発したAI(人口知能)システムによって、在宅の経理スタッフと顧客企業を「会社の隣に経理部員がいるように」結ぶことが可能になった。

   仕組みはこうだ。顧客から経理業務代行を依頼されると、同社のコンサルタントが出向き、経理を丸ごと請け負うのか、入金管理・支払清算など一部だけなのかをチェック。企業ごとに経理方法や業務量が違うため、その会社に合ったスキルを持った経理スタッフでチームを作る。

在宅で経理の仕事を(写真はイメージ)
在宅で経理の仕事を(写真はイメージ)

   経理をアウトソーシングすると、どういうメリットがあるのか――。

   工藤さんは、

「経理の仕事には、月初めや月末に業務が集中するかと思えば、月の半ばに暇になるといったように波があります。忙しいときの急な欠員対策や、残業を減らすために臨時の契約社員を雇ったりするとコスト増になります。アウトソーシングによって、業務フローを効率化して、コストダウンを図ることができます」

   と、説明する。

   もう一つは「経理の属人化」の解消だ。

   「属人化」とは、ある業務を特定の人が長く担当すると、その人にしかやり方が分からない状態になることを意味する表現。特に、中小企業では長年勤めた「経理オバサン」に辞められると、にっちもさっちもいかなくなるケースが珍しくない。アウトソーシングにすると、マニュアルを作成して「標準化」するため、誰にでもできるようになる。

   また、人口減が進む地方では経理の人材難が厳しく、経理の人が見つからないために倒産に追い込まれるケースも珍しくない。オンラインによるアウトソーシングは、そんな地方の悩み解消にも役立つ。

   経理代行を契約している会社の一つに、「GRA」という農業生産法人がある。東日本大震災の被災地、宮城県山元町で「食べる宝石」といわれる「ミガキ(磨き)イチゴ」を生産している。

「GRAさんは、被災地に本社を置き、復興支援のブランド農産物を作りたいという志で立ち上げた農業法人です。しかし、地元の山元町にはそもそもパソコンを使える人が少なく、経理ができる人がなかなか見つからなかった。『もう本社を東京に移そうか』という話にまでなったときに、弊社がお手伝いをすることになったのです」

と、語る工藤さん。

   メリービズでは、秋田県内でも「地方支援」を行っている。秋田銀行と契約して、経理人材が見つからない地元の中小企業にメリービズがオンラインで経理スタッフを紹介する。また、秋田県鹿角(かづの)市とも契約。同市が集めた周辺に住むママさんテレワーカーに、メリービズが経理の仕事を業務委託する。いわば、経理の人材がほしい地方の中小企業と、仕事がほしい地方のママさんの「橋渡し役」を果たしているのだ。

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