ラグビーW杯で日本代表が史上初のベスト8進出を果たし、ラグビー人気がかつてなく盛り上がっているが、それとともにラグビーに関する仕事もウナギ登りに増えている。
なんと、この5年間で「ラグビーの仕事数」が約140倍にも急増していることが、世界No.1の求人検索エンジン「Indeed」(インディード)の日本法人「インディード・ジャパン」の調査でわかった。
W杯運営スタッフ、クラブハウスの調理師など多彩
調査は、ラグビーW杯の日本開催と日本代表の躍進によってラグビー人気が高まっているのを機に、検索件数をデータにラグビーをはじめとする「スポーツに関する仕事」を調べた。
調査期間は、2014年10月から2019年9月の5年間。調査対象のスポーツは、ラグビーのほかに、最近NBAの八村塁選手など日本人の活躍で人気が高まっている「バスケットボール」と大坂なおみ選手や錦織圭選手が活躍する「テニス」、そして個人で取り組むことができる健康スポーツとして根強い人気がある「マラソン・ランニング」「登山」の計5つ。それぞれの種目の「仕事検索数」や「仕事数の推移」を比較した。
「仕事数」とは、たとえば直近1年間の「ラグビー」に関する仕事の内容を確認すると、「ラグビーW杯の運営・受付スタッフ」「ラグビーデータ分析」「ラグビーショップ・スタッフ」「ラグビーチームクラブハウスの調理師」などがあり、内容は多岐にわたった。
その結果、「ラグビーの仕事検索数」はW杯開催を控えた2019年6月を起点に急増。6月には5年前の20.6倍、7月には26.2倍、8月には40.0倍となり、大会が始まった9月には63.6倍にまで増加した。
「ラグビーの仕事数」も同様に、W杯開催を前に急増。6月には一気に増加し、5年前の121.0倍に。8月には113.9倍とやや下がったが、W杯が始まった9月には138.8倍にまで達した=図1参照。
東京、大阪など大会会場がある都県で仕事の応募殺到
ほかのスポーツ(バスケットボール、テニス、マラソン・ランニング、登山)の仕事検索数と比較すると、2019年6月には「マラソン・ランニング」の検索数を、この8月には「登山」を、さらに9月には「テニス」の抜き去り、グ~ンとトップに躍り出たことがわかる=図2参照。
なお、直近の1年間の「ラグビーの仕事検索数」を地域別に確認すると、東京・大阪で関連職を探している人が特に多く、東京での検索が全体の27.2%、大阪が21.6%、神奈川が14.3%を占めた。仕事の検索が行われた都道府県は、47都道府県のうち14都道府県に限られ、そのうち1位?12位はW杯の試合会場がある地域での検索だった。
開催地を中心に大会に関連した仕事をしたいと希望する人が多かったことがうかがえる。ラグビー人気が仕事の面でも証明された形だ。