「つみたてNISA」は月初に買い付ける傾向がある
ところで、なぜ「月初の株高」と呼ばれるアノマリーは存在しているのだろうか――。それについては諸説あるものの、積み立て投信(「つみたてNISA」など)の資金が、月の初めに株式を買い付ける傾向があることなどがあげられる。
また、従業員持ち株会と呼ばれる、上場企業の社員らの給料から毎月、一定額の自社株を買い付ける組織からの株式市場への資金の流入なども指摘されているようだ。そのほかにも、年金ファンドや外国人投資家の売買が、月初や月末に集中しやすいことも理由のひとつとして考えられている。
ちなみに、日経平均株価は2016年7月から2018年2月まで、20か月連続で「月初の株高」が観測されていたようだ。
その理由としては、当時の堅調な株価の推移に加えて、アベノミクス効果による個人投資家の株式投資への関心の高まりや、NISA(少額非課税投資制度)や個人型確定拠出年金(iDeCo)といった制度のスタートなどがあげられるだろう。
「月初の株高」は、株式市場で知られているアノマリーの一つだ。すべてのアノマリーに合理的な説明がされているわけではないものの、相場をよく知ろうとするなら、アノマリーについて調べてみると何かの役に立ちそうな発見があるかもしれない。(ブラックスワン)