会社の中では偉くなる人とそうでない人がいるが、20代~30代のうちから役職につく人物は、いったいどんな性格をしているのか――。
それは、「鈍感力」と「自己肯定感」が並みの人より高い人が出世コースを驀進することがわかった。
性格診断を活用した採用・教育支援ツール「性格ナビ」を提供するプロセスジャパンが2019年10月11日に発表した「若手役職者の性格傾向調査」で明らかになった。
自分だけでなく他人も思いやり認める能力
調査では、20代~30代を中心とする役職者91人を対象に「性格ナビ」で性格傾向を診断し、直近の1か月間で「性格ナビ」を診断した3858人のデータと比較した。「性格ナビ」では、「知らない人とすぐ話ができる」「パーティー、イベントは企画する側だ」「聞き役より話し役」「常識を重視する」など数多くの質問に対し、「とても当てはまる」から「当てはまらない」まで4段階で答える。
その回答によって、自分と他者(世間を含む)の捉え方を以下の4つに分類し、どのように捉えているかを診断する。
(1) I'mOK / You'reOK(私は正しい、あなたも正しい)
(2) I'mOK / You'renotOK(私は正しい、あなたは間違っている)
(3) I'mnotOK / You'reOK(私は間違っている、あなたは正しい)
(4) I'mnotOK / You'renotOK(私は間違っている、あなたも間違っている)
このうち、(1)の「I'mOK/ You'reOK(私は正しい、あなたも正しい)」という人生の構えが、「誰しもが尊重され、生きるに値する存在である」という認識のもと、他者と肯定的な関係を作り出すことができる考え方であり、最も生きやすく、本当の意味で自己を肯定している性格だという。つまり、自分だけ肯定しても、他者を否定しては本当の自己肯定でないというわけだ。
今回の調査では、この「自己肯定」の割合が、一般の人では34%しかいなかったが、役職者では半数以上の53%に達し、役職者は自己肯定感の高い人が多いことがわかった。=図1参照。
ただし、「出世したから自己肯定感が高まったのか、自己肯定感が高いから出世したかは判定できない」としている。
プロセスジャパンの佐藤由紀子代表はこう語っている。
「人間は自己を肯定する範囲でしか、他者を肯定できません。ですから、自己肯定感が高い役職者と、低い役職者とでは、部下(他者)をマネージメントする領域で差が出ると想定しています」
自己肯定感が高い人ほど、優れたリーダーシップを発揮するというわけだ。