サイバーコムの2019年12月期・第2四半期(1~6月期)報告書が、9月20日に届いた。それによると、業績は好調に推移しているようだ。
それなのに、同社の株価は相変わらず低迷。8月29日には1580円の年初来安値をつけている。今年2月18日付の「話題の『5G』調べて見つけた『サイバーコム』・リスク分散ねらいで値下り待つ」で、「1600円~2000円あたりを買い値と考えている」と書いたが、目下のところ株価は、ほぼその圏内で推移している。いよいよ、買い増しのチャンス到来である。
5G技術、クルマが「通信機器と逆転する日」も近そう
決算報告書によると、2019年12月期・第2四半期の売上高は68億1000万円で前年同期比17.0%増だった。営業利益は3億3400万円で35.6%増、四半期純利益は2億2400万円で、こちらも30.7%増といずれも大幅な増収増益となった。
9月19日発売の会社四季報秋号でみると、サイバーコムの2019年12月期の通期業績は、売上高134億円(前年同期比11.0%増)、営業利益は6億8000万円(11.8%増)、当期利益が4億5000万円(7.7%増)と予測。増収増益を見込んでいる。
サイバーコムの株価は、2019年2月26日に1株2665円の年初来高値をつけていた。ところが、米国のトランプ政権が5月に中国・ファーウェイへの制裁を明示したことで、両国が高い関税をかけ合う、米中貿易戦争が過熱。サイバーコム株も、下げ足を速めた。
とはいえ、5Gは民生用として、自動運転車やドローン、あるいは建設機械、医療機器の遠隔操作などでも重要なインフラになると考えられていることもあり、これからも折に触れてテーマ化されるとみられる。
前回(2月18日付)でも書いたが、民生用、軍事用であれ、ネットワークを5Gで結ぶとき、そのための「ソフトウェア」が大きな役割を担うことになると考えている。
会社四季報・業界地図2020年版(9月5日発行)には、「電子部品」の項目で、「自動車向けの存在感が増している」として、「電子部品の用途別構成比」で、「2018年1~3月の四半期統計では、初めて電子部品の用途のうち自動車が最大の構成比となった」とあった。
クルマが「通信機器と逆転する日」も近そう。ちなみに、5G技術を有する企業全体の2018年の実績は、通信機器が31.5%、自動車は27.6%となっている。