米国で話題の一冊に「happy money」があります。2019年6月13日発表の「USA TODAY Best-Selling Books(米国ベストセラー)」で75位にランクインしています。
日本版も発売されて、すでに10万部を超えています。今回は、その日本版を紹介します。
「一瞬で人生を変える お金の秘密 happy money」(本田健著)フォレスト出版
人生はモノポリーではないことを知る
私たちが豊かな社会生活を営むうえで、お金は不可欠な存在です。お金を稼ぐために必至に頑張りますが、一生懸命働いてもなかなかお金はついてきません。
あなたは知っているはずです。あなたよりもお金持ち、あるいは裕福そうに見える人たちが、あなたよりも頑張って働いているわけではないということを......。
お金を稼ぐ行動はゲームだと割り切って、楽しんでいる人のほうが上手です。最終的な「勝利」や「最高額」ではなく、ゲームの過程や駆け引きを楽しむことができるからです。ところが、多くの人はモノポリー (人生ゲーム)をしたがります。なぜでしょうか?
著者で作家の本田健さんは、次のように説明します。
「もしも私が、 お金は『ゲーム』だと言ったら、どうしますか。どのくらい真剣に遊べますか。勝てると思いますか。どんなに経済的にうまくいこうが、それは『勝利』ではありません。もし、『勝利』があるとすれば、どれだけ『ゲームを楽しめるか』なのです」
「共通のルールのもと、ボードの上で駒を動かし、先の予測もつくモノポリーとは違って、実生活でお金を使うときには、この先どうなるかが、さっぱりわかりません。10マスや12マスも一気に先にいくこともなければ、いつも時計回りに進んでいくこともありません」
ほかにも、会社が不景気になればリストラの危険性も発生します。会社が倒産したり買収されたりすることもあるでしょう。やっている仕事が時代遅れになれば、マーケットからスポイルされるかも知れません。
私たちが生活をしている社会は、多くの危険をはらんでいるともいえます。
お金の「ゲーム」の本質とはなにか
お金のゲームに終わりはありません。若くしてお金を手にしても、この先なにか取り返しのつかないことが起こらないとは限りません。セレブや有名人が手にしたすべてを失って、多額の借金を抱えたまま亡くなるニュースを目にすることがあります。たくさん稼いでいたのに、なぜお金がなくなるのか理解できません。
「お金を失うのは『収入以上に使ってしまうから』という人もいますが、そうではありません。それぐらいでは、何十億円というお金はなくならないでしょう。彼らがお金を失ってしまうのは『お金のルール』が絶えず変わっていることを知らないからです。2008年の不動産バブルを考えて見ましょう。巷では『不動産に投資しろ。お金はそこにある』と言われました。 住宅価格は急騰してお金も簡単に借りることができました。あるとき『お金のルール』が変わりました。住宅市場は下落しました。買った値段の倍で売れると信じて疑わなかった家の価値は半減したのです。そして金融の専門家は、次は金だと言います。けれど、経済が順調なら、金地金は利息を生まない、ただの黄色い石ころになり下がります」
本田さんは、そう解説します。
お金を増やす権威はたくさんいます。しかし、そんな権威のある人が、そもそも間違っていることが少なくないと、本田さんは警鐘を鳴らします。なにを、あるいは誰を信用すればいいのでしょうか。なにをコントロールすればいいのでしょうか。裕福とは何で、貧しいとは何でしょうか。この機会に考えてみませんか。is your money smiling?
(尾藤克之)
「Happy Money~The Japanese Art of Making Peace with Your Money~」(米国版)
米サイモン&シュスター社
本田健著
「一瞬で人生を変える お金の秘密 happy money」(日本語版 本田健翻訳)