企業の人材育成支援などを行っている株式会社リクルートマネジメントソリューションズの組織行動研究所は、20~50代の企業の正社員を対象に行った「職場での個人の学びに関する実態調査」の結果を、2019年10月18日に発表した。
それによると、仕事において「ハイパフォーマンス、ハイコミットメント」ができていると感じている高適応層では、約8割の人が、この1年以内に「現在の仕事に直結する新しい学び」を得ており、人材育成、成長の両面から企業には、従業員の「学び」を支援する態勢づくりが求められている。
「仕事に直結する新しい学びがあった」20%が回答
調査ではまず、過去1年のなかで「現在携わっている仕事に直結する新しい学び(現在の学び)」があったかを聞いたところ、「あった」(19.9%)「どらかといえばあった」(39.8%)を合わせて、59.7%が肯定的な答え。また、「中長期的に自分のキャリア形成に役立つ新しい学び(中長期の学び)」があったかどうかについては、50.1%(「あった」14.2%、「どちらかといえばあった」35.9%)が、が、プラス方向に意識していだった。
また、回答者自身の仕事に対する適応感を調査。「期待どおりの成果を上げている」「今の仕事にやりがいを感じる」など適応感に関する7項目の質問を掲げ、それらについて、「まったくあてはまらない=『1』」~「とてもあてはまる=『6』」―― の6段階での評価を求めた。
その結果から、回答者を「ハイパフォーマンス・ハイコミットメントしている」高適応群(49.9%)と、低適応群(50.1%)に分類。この分類別に「学び」の回答を分析すると、高適応群では、「あった」「どちらかといえばあった」の割合が「現在の学び」で78.9%、「中長期の学び」で67.6%と、低適応群に比べて大幅に高かった。
「現在の学び」については、仕事への高適応示した約8割が、プラス方向の意識を持っているのに対し、低適応層では約4割。このことから、同研究所では「学びは仕事や組織への適応感を高めると同時に、適応感が次の学びを促進すると考えられる」と述べている。