ひっぱりだこのデータサイエンティスト、じつはその力を最大限に生かすためには「文系人間」が必要だった!?

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   ビジネスでビッグデータやAI(人工知能)の活用が成功へのカギとなり、その最前線での役割を担う専門家「データサイエンティスト」は、現代でもっとも需要が高い職業の一つとされる。幅広い理系の知識やスキルばかりか、社会経験も必要とされ、そう簡単にはなれるものではないだけに、供給は不足ぎみらしい。

   貴重な存在であるデータサイエンティストを最大限に生かすため、ビジネスの現場で多数を占める「文系」の人たちができることを解説した。

「文系のための データサイエンスがわかる本」(高橋威知郎著)総合法令出版
  • 「データサイエンティスト」には「文系」のアシストが必要
    「データサイエンティスト」には「文系」のアシストが必要
  • 「データサイエンティスト」には「文系」のアシストが必要

AI時代の先端的職業

「データサイエンスのビジネス実践で、重要なポイントがある。それは『データサイエンティストだけでは何もなしえない』ということ。今も昔も変わらない。一緒に物事を進める人が必要。特別な人財ではなく、データサイエンスの理解ある普通のビジネスパーソンが必要なのです」

   著者の高橋威知郎さんは、企業のデータ活用に関するコンサルティングなどを行うセールスアナリティクスの代表取締役。データ分析・活用コンサルタントとして活動。中小企業診断士の資格を持つ。内閣府やコンサルティングファームで、一貫してデータ分析業務に携わってきた経歴を持つ。

   高橋さんは、自分の仕事を通じてデータサイエンティスト以上に不足しているのは、データサイエンスを理解し、データサイエンティストと協働できるビジネスパーソンであると実感。そのことがデータサイエンスを解説した本書の刊行の動機になったという。

   では、データサイエンス、データサイエンティストとは、どのようなものなのか――。

   データサイエンスを採り入れ、データサイエンティストの活躍で歩幅を広げて成長したの代表例が、GAFAと呼ばれるグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルだ。個人情報をはじめ、さまざまなデータを収集し、それらを活用して競争で優位な状況を作り出した。たとえば、グーグルは検索サービスで利用者情報を蓄積し、そのデータをもとにサービスを改良してさらに利用を増やし、そうしながら広告媒体としての価値を高め、さらに集まったデータで改良を重ね収益をふやした。

   集めたデータをしっかり活用するには、データを処理するデータサイエンティストのほか、そのあとのプロセスを引き受けるプロ集団が必要だ。「ビジネスの世界では、『データとドメインを結びつける』のがデータサイエンス」であり、ドメインとは、データサイエンスを活用する現場のこと。現場はさまざまだ。経営の現場、営業の現場、生産の現場、さらには消費者視点では、店舗や通販サイトなどは購買行動の現場になる。企業にはふつう、それぞれの現場について「プロ級のドメイン知識を持った人財」がいるものだ。

   ところが、日本の企業では、このプロ級の人たちは残念ながら、データサイエンスをわかっているわけではない。また、データサイエンティストが、社内に数多くある現場を詳しく知っているということは、あり得なくはないが、可能性は高くない。そこで、データサイエンティストと、詳しいドメイン知識を持ったプロの人たちをつなぐビジネスパーソンが必要とされているというわけだ。

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