世界の大学の中で就職に強い大学はどこか。大学トップ500ランキングが発表されたが、1位のマサチューセッツ工科大学(MIT)など、ベスト10には米欧・豪州・中国などの大学が並ぶ。
日本の大学で最上位の東京大学は、世界では23位。2位の早稲田大学も34位というありさま。いったい、日本の大学はどこが弱いのだろうか――。
6位清華大学、9位香港大学と中国・香港にも負ける
2019年10月7日に「卒業後に雇用に強い大学トップ500」を発表したのは、世界大学評価機関として名高い英国クアクアレリ・シモンズ社(Quacquarelli Symonds=QS)。QS社では、大学と雇用関係を分析する方法として、次の5つの項目の独自データを使っている。
(1)その大学に対する世界中の4万4000社にも及ぶ雇用者の評価
(2)その大学の2万9000人の卒業生の活躍度
(3)その大学と主要企業との共同研究実績
(4)その大学の企業などの学内採用活動
(5)その大学の卒業生の就職率
これらの総合点で、「卒業後に雇用に強い大学」を選ぶわけだ。その結果、2019年のトップに輝いたのは、マサチューセッツ工科大学(MIT・米国)。以下、2位スタンフォード大学(米国)、3位カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA・米国)、4位シドニー大学(豪州)、5位ハーバード大学(米国)、6位清華大学(中国)、7位メルボルン大学(豪州)、8位ケンブリッジ大学(英国)、9位香港大学(香港)、10位オックスフォード大学(英国)となった=表1参照。
一方、日本の大学は、東京大学(23位)、早稲田大学(34位)、慶応大学(50位)、京都大学(53位)、東京工業大学(65位)、大阪大学(73位)、名古屋大学(98位)が上位100位に入った=表2参照。
日本の大学の特徴は、指標の一つ「雇用者からの評価」が特に高いことで、たとえば、東京大学はこの指標別では世界15位だ。