「育休取ると嫌味」「低い人事評価」「異動の命令」
実際に育児休業を取得した人は7.2%(1000人中72人)しかいなかった。育休を取らなかった928人に、その理由を聞くと「もともと取得するつもりがなかった」人が69.8%で、「本当は取得したかった」人が30.2%いた。
取得したかったのに、できなかった理由を聞くと(複数回答)、1位は「仕事の代替要員がいない」で47.3%。次いで、「収入が減る」(36.%)、「男性が取得できる雰囲気が職場にない」(32.2%)と続く。
男性の場合、任される責任が大きく、仕事を代わりに担ってくれる人がいないことや、収入が減ること、取得しやすい雰囲気が職場にないことなどが育休取得の妨げとなっている。
また、育休取得者72人のうち15人(20.8%)が「パタニティ・ハラスメント(パタハラ)を受けた経験がある」と答えた。こんな行為だ。
「復帰したら嫌味を言われた」(11人)
「責任ある仕事を任されなくなった」(6人)
「昇進・昇給できなかった」(5人)
「低い人事評価を受けた」(3人)
「復帰したら新人のような扱いをされた」(2人)
「異動を命じられた」(2人)
「転勤を命じられた」(2人)
調査で、男性の育休取得率を上げるために必要だと思うことを聞くと、「対象者に取得を義務づける」(57.5%)が最も高く、次いで「男性の育休割り当て制度の法制化」(29.2%)、「育休給付金の増額」(25.4%)、「育休が取得可能なことの社内周知」(21.3%)となった。
育児・介護休業法では、男女とも平等に育休を取得する権利が認められているにもかかわらず、義務化や法制化されないと男性は取得しづらいと思っている実態が明らかになった。
(福田和郎)