「日本がリチウムイオン電池を止めたらもっと大変だった」
一方、朝鮮日報(10月11日付)「韓国が心配する『素材・部品・設備』、日本はすでに7回目のノーベル賞」は、吉野彰さんが受賞した研究分野が「リチウムイオン電池」であることにショックを受けた。
「7月4日に日本が韓国に対し、半導体・ディスプレーの重要素材であるフッ化水素、フッ化ポリイミド、フォトレジストの輸出規制に踏み切った。韓国の産業界全体が驚いた。当時日本が刀を抜けば致命的な影響を受ける分野として挙げられたのがスマートフォンや電気自動車(EV)に使われるリチウムイオン電池だった。韓国はLG化学、サムスンSDIが世界のEV用リチウムイオン電池市場で4位、6位を占めるバッテリー強国だが、実は日本製の重要部品・素材がなければ、生産ラインを止めざるを得なくなるかもしれないからだ」
つまり、日本が本気で韓国にダメージを与えるつもりなら、リチウムイオン電池を止めればよかったというわけだ。
「日本人で24人目となる科学分野のノーベル賞の受賞者がリチウムイオン電池分野から生まれた。日本は素材・部品・設備分野では7回目の受賞だ。吉野氏受賞の知らせは韓国産業界が歩むべき『克日』の道がまだ遠い厳しい現実を改めて知らしめるもので、つらいニュースだった。日本はリチウムイオン電池の重要素材分野で世界最強の陣容を率いている。韓国の専門家は『韓国は日本製の化学素材の90%を国産化したが、重要部分の10%はまだ作ることができずにいる。一部の素材・部品の格差は20年に達する』と述べた」
吉野彰さんのノーベル賞受賞の報で、改めて科学技術の分野での日韓の差を思い知らされたというのだ。
(福田和郎)