ソウル市ホームレス支援事業もやめたユニクロ
しかも、ファーストリテイリングが公開した決算参考資料によると、2018年8月末、韓国にはユニクロの店舗が186か所あったが、1年間に8か所が閉店して10か所が新たにオープンした。1年前に公開した事業予想資料には、閉店計画は提示されていなかったから、予定外の閉店は不買運動の影響と推定されるとしている。さらに、中央日報はこう皮肉っている。
「(決算発表で)ファーストリテイリングは韓国内の売上額などが具体的にどれくらい減ったかについては公開していない。1年前の決算発表当時には韓国事業が好調を示し、売上額が約1400億円だと明らかにしていたこととは対照的だ」
ユニクロについては、こんなマイナスイメージのニュースも飛び込んでいる。朝鮮日報(10月10日付)「ソウル市ホームレス衣類支援事業の後援社、ユニクロからSPAOへ」が、こう伝えている。
「韓国大手衣料品チェーンのイーランドが、ソウル市が推進するホームレス(路上生活者)衣類支援事業の後援協約を同市と締結したと10月10日発表した。イーランドワールド、SPAO(スパオ)などとソウル市は同日、ソウル市庁本館で業務協約を締結した」
「路上生活者への衣類支援事業は2012年からソウル市が推進している事業で、市民、企業、団体などから衣類を集め、路上生活者への支援を行う。ここ2年間は日本のユニクロが後援していたが、今年はSPAOが後援する。ソウル市によると、ユニクロは今年、路上生活者の支援事業への参加意思を示さなかった。不買運動が続く国内状況を考慮したものとみられる」
SPAO(スパオ)は、韓国のアパレルメーカー「イーランド」が展開するカジュアルブランドで、2013年に横浜に1号店を出店した時は「韓国のユニクロ、日本上陸」と騒がれ、ユニクロとライバル関係にある。現在では、ハリーポッター、トイストーリー、クレヨンしんちゃん、ドラゴンボールなどの人気キャラとのコラボデザインが人気となり、日本にもファンが多い。
(福田和郎)