街にあふれる「タピオカ屋さん」早くも下火!? 過去のブーム時にならうと大不況突入かも

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   若い女性の間で大人気のタピオカだが、ブームの終焉の兆候がみられることが東京商工リサーチの調査でわかった。

   じつはタピオカは、これまでも大不況の前後で話題になってきており、今回は消費増税が影を落としているらしい。

  • 若い女性に大人気、タピオカミルクティー!
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コンサルティングや電力会社まで参入

   東京商工リサーチが2019年10月8日に発表した「『タピオカ屋さん』動向調査」によると、8月末現在で60社あることがわかった。同社が保有する企業データベース(約379万社)から、「タピオカ」専業及び関連事業を営む企業を抽出した。3月末時点では32社だったから、夏場の半年間でほぼ2倍に急増したことになる。

   60社のうち、49社は2018年以前の設立だから、空前の「タピオカブーム」に乗り、新規に会社を興すより、既存企業が取扱商品を変更して参入したことが特徴だ。

   財務省の貿易統計によると、2019年1~7月の「タピオカ」と「タピオカ代用物」の輸入は約6300トンで、2018年(1~12月)1年間の約3000トンをすでに大幅に上回っている。飲食チェーン大手でもタピオカ関連メニューを始めるところが増え、街はタピオカで溢れている。

   「タピオカ屋さん」60社の本業を調べると、「パンケーキカフェ」「肉バル」「助成金コンサルティング」「売電事業」など、飲食業からコンサルティング会社、電力企業までさまざまだ。本業とは別にタピオカブームにあやかる副業的な店舗展開が特徴になっている。

   60社の本社所在地は、東京都が25社で最も多く、次いで神奈川県と大阪府、福岡県が各5社、千葉県4社、沖縄県3社と続き、地方都市にも広がっている。

「例年冬場なのに、今年は夏場過ぎから売り上げが落ちた」

   ただ、個別に経営者に聞くと、「もうブームは終わろうとしている」と不安の声が少なくない。中国地方で数年前から「タピオカ屋さん」を運営する企業は、「昨年(2018年)からお客さんが以前の倍になったが、毎年、冬場に売り上げが落ちるのに、今年は夏過ぎからお客さんの数が落ちている」とブーム終焉の兆しを感じている。関東地方で「タピオカ屋さん」を営む企業も「ライバルが増えて、味やインスタ映えなど戦略が重要になった」と語る。

   ブームが終焉を迎えるのか、それとも落ち着くのか、分岐点に差しかかっているようだ。というのは、タピオカブームは景気悪化と微妙に関連があるからだ。第1次ブームは、バブル崩壊の1992年頃。第2次ブームは、リーマン・ショックの2008年頃だった。いずれも不況に前後してブームが起きるのが特徴だ。今回の第3次ブームは、米中の貿易摩擦、英国のEU離脱、日韓関係悪化、国内では消費税増税と重なる。

   果たして景気悪化を占うブームとなるのか、今後の動きが注目される。ちなみに、タピオカミルクティーは地域によっては『バブル』ティーとも呼ばれている。

(福田和郎)

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