内閣府の試算では専業主婦の報酬は「月25万3000円」
しかし、「月5万円」を専業主婦の「家事・育児労働の報酬」とみると、かなり低い評価になる。内閣府は2013年に「家事や介護・育児、ボランティア活動などの無償労働を貨幣価値に換算する調査」を発表した。それによると、専業主婦の家事・育児は年収304万1000円(労働時間は年2199時間、土日休みなしで1日平均6.0時間)に相当する。毎月の報酬(お小遣い)にならすと、なんと「月25万3000円」である。
その無償労働報酬の内訳は、多い順に炊事116万円、清掃45万5000円、育児42万8000円、買い物39万7000円...... となる。ちなみに、兼業主婦の場合は、年収223万4000円(労働時間は年1540時間、1日平均4.2時間)に匹敵する。こちらは「月18万6000円」に相当するお小遣いだ。
そんなわけで、ひとくちに専業主婦のお小遣いといっても、「安い」「高い」と単純に決めつけるのは難しいようだ。
J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、この「専業主婦月5万円のお小遣いって安い?高い?」論争の意見を求めた。
――今回の投稿に対する反応を読み、率直にどんな感想を持ちましたか?
川上敬太郎さん「月5万円がお小遣いとして高いか否かは、捉え方に個人差があることが前提ですが、一般的には十分な額のように感じます。ただはっきりしているのは、投稿者さんは低いと感じていることです。日々専業主婦として、時に罪悪感も覚えるような思いをしながら頑張っている代償が月5万円と算出されたことが、年収2000万円の夫の財力と照らし合わせて低いと感じてしまうのかもしれません」
「お小遣いの調査ではありませんが、私たちは、もし主婦が仕事をして収入を得たとしたら、そのお金は自分の意思で自由に使うことができると思うかを調べたことがあります。すると、『自分の意思のまま自由に使うことができる』と答えた人が3割、『自分の意思である程度使うことができる』と答えた人が5割いました。夫と相談、あるいは夫の許可を得てからなどと制約を受ける人は2割以下でした。働いて収入を得ているかいないかで、主婦層の金銭的な自由度は大きく変わるようです。それは少なからず心理面にも影響を与えるものと思われます」