政府が実施している休暇をめぐる働き方改革推進策で、主婦らがもっとも期待しているのは「有給休暇取得の義務化」だったことが、主婦に特化した人材サービス「しゅふJOB(ジョブ)」を運営するビースタイルの調べでわかった。10月4日に発表した。
2019年4月からスタートした、いわゆる「働き方改革」が「休み方改革」の意味合いが強いことから、主婦層に、この点にフォーカスして聞いた。
「有効と思う施策はない」も24.3%を占めた
4月から施行された改正労働基準法では、年次有給休暇の取得義務化や残業時間の上限規制、高度プロフェッショナル制度の創設のほか、さまざまな奨励策が盛り込まれた。
「政府が行っている休み方推進策として期待しているものは?」(複数回答可)の問いに対して、56.2%と最も多くの支持を集めたのが「有給休暇取得の義務化」。「プラスワン休暇」(27.7%)「残業の上限規制」(26.5%)と続き、沙汰止み感がある「プレミアムフライデー」にも11.8%が期待を寄せた。一方「有効だと思う施策はない」をチェックした人は24.9%だった。
「プラスワン休暇」は、たとえば土曜と日曜が公休の会社であれば有給休暇を1日加えるパターンを年間で何週かもうけ3連休を増やそうというもの。厚生労働省がリーフレットなどを作って推奨している。
「有給休暇取得の義務化」に対して期待が高いのは、その割合のダントツぶりを含め、年代別などで見直しても変わらない傾向があるからだ。「しゅふJOB総研」によると、30代以下の層は「ゴールデンウイーク10連休などの大型連休化」と「キッズウィーク」に期待する比率が他の年代よりも10ポイント以上高い。大型連休への期待が高いのは、30代以下は長期休暇による賃金減少懸念が低い正社員の比率が高いことや、長期休暇取得に対する抵抗感があまりないことなどが考えられるという。
アンケートでは「有給休暇取得の義務化」「プラスワン休暇」「残業の上限規制」の上位3項目につづき、4番目の得票率だったのが「有効だと思う施策はない」。
この回答について分析すると、子どもの有無別では、子どものいない人の比率が、いる人に比べて10ポイント以上高くなっているという。この点について、川上敬太郎所長は「お子さんの事情など、致し方ない理由か否かに関係なく、自分が休みたいタイミングで有給休暇が取得できる環境づくりが、今後の『休み方改革』の成否を握っているのではないか」と述べている。
なお、調査は2019年7月10日~18日に「しゅふJOB総研」が、登録済みの主婦を対象にインターネットを通じて実施。694人から有効回答を得た。