ますます縮む国内市場 生き残りに「効く」のは「マイレージサービス」ってホントか?

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競争勝ち抜いたアメリカン航空

   マイレージサービスは、米アメリカン航空が1981年に導入。本書の著者、村上勝利さんが社長兼CEO(最高経営責任者)を務める米顧客関係管理サービス会社、ブライアリー・アンド・パートナーズの創業者であるハル・ブライアリー氏がコンサルタントとして最初に手がけたロイヤリティ・マーケティングだ。

   当時、米航空業界はアメリカン航空のほか、大手数社が乱立。激しい利用者争奪戦が繰り広げられていた最中に考えだされたという。「米国では常に競争が起きていて、新製品や新サービスが登場すると、既存の市場が失われていく。だから、ロイヤリティ・マーケティングが必要であったし、進化してきた」と村上さん。

   アメリカン航空がマイレージサービスを始めた当時のライバル会社の中には、競争に耐えきれず市場から撤退した会社もある。

   日本ではこれまで、業界ごとに大体のシェアが決まっていて、競争がないわけではないが、それほど激しくもなく、企業が目指すところは、製品やサービスの向上、高品質化で、それにより他社に差をつけることであり、顧客の囲い込みなどは関心が薄かった。

   ところが、その日本でもこの先、人口減少や少子高齢化にともなう国内市場の縮小が必至で、競争環境の面では大きな転機を迎える。

   「だからこそ、リテンション(既存顧客の維持)に目を向けなければいけない」と村上さん。「これまでは、安定した国内市場で一定のシェアを持っていれば、業界の下位企業でも儲けを出すことができた。ところが、市場そのものが縮小するとなると、事情は変わってくる。利益率は同じであっても、規模が小さくなるのだから、儲けの絶対額が減ってしまう」と指摘する。

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