「決して万能策ではない。より良い制度に修正を」
今回の調査結果について、「しゅふJOB総研」所長の川上敬太郎さんはこう分析している。
「幼保無償化は、働く女性にどう受け止められているのか。最も多かったのは『幼児期の子どもがいる家庭の生活費が助かる』との回答でした。しかしながら、次に多かったのは『幼児期よりも高校・大学などの子育て支援を手厚くすべき』という批判です。幼保無償化を歓迎する声が多いものの、さらにお金がかかる高等教育への支援を求める声が、40代を中心に厳然と存在しています。高等教育にかかる費用をリアルに感じられる層なのです」
「50代以上になると、幼保無償化の賛成比率が40代より若干上昇します。子育てがひと段落して、孫の保育が身近に感じられる人もいるのでしょう。幼保無償化は総じて賛成の声の方が多いですが、決して万能策とは言えません。『待機児童解消を優先すべき』『保育士の待遇を上げるべき』など多くの課題がフリーコメントでも指摘されました。公平性や効果を検証しながら、より良い制度へと修正していくことも視野に入れる必要あると考えます」
(福田和郎)