日本に「上空通過料」払うよりは北朝鮮に
もう一つは、韓国国民の日本への旅行ボイコット運動により経営悪化に追い込まれている韓国の航空会社が不本意なカネを日本に吸い上げられ、さらに苦境に立たされているというニュースだ。ほとんど「言いがかり」のような指摘だが――。
聯合ニュース(10月2日付)「韓国航空会社が日本に支払った上空通過料 4年半で190億円」がこう伝える。
「韓国の航空会社9社が2015年から今年6月までに日本に支払った上空通過料が2126億ウォン(約190億円)に上ることが10月2日、わかった。国会国土交通委員会所属のユン・ホジュン議員(与党・共に民主党)が、国土交通部の資料を分析した結果を明らかにした。同じ期間に日本の航空会社が韓国に支払った上空通過料は82億2000万ウォン(約7憶円)だった」
「上空通過料」というのは、他の国の上空を飛ぶために支払う手数料で、その国の空港を離着する際の使用料とは別だ。各国は上空にも権利を持っているため、そこを飛ぶだけで通過料を払わなくてはならない。つまり、同じ時期に韓国が日本側に支払った上空通過料は、日本が韓国側に支払った額の13倍にも達したというのだ。
なぜ、こんなに日本側に徴収されなくてはならないのか。ユン議員は、こう訴えたのだった。
「ユン議員は韓国航空会社の通過料が多い理由について、北朝鮮への制裁により、北朝鮮の領空通過が禁止され、米国などに向かう際は日本上空を通過する迂回(うかい)航路を利用しているためだと説明した。また、北朝鮮航路を利用すればコスト削減や飛行時間短縮が可能になる。日本航路に依存している現在の状況から脱することができるよう航空分野の南北協力に向けた準備にも万全を期す必要があると指摘した」
航空分野でも南北協力を果たし、日本に対抗しようというわけだが、今度は北朝鮮に「上空通過料」をとられることにならないか。
(福田和郎)