働き方改革、中間管理職へしわ寄せ 調査でクッキリ 「負担増」のワケは?

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   「働き方改革」によって、6割を超える中間管理職が「業務量が増加した」と感じていることが、人材サービス大手のパーソルグループの調査会社、パーソル総合研究所の調べでわかった。「中間管理職の就業負担に関する定量調査」の結果を、2019年10月3日に発表した。

  • 働き方改革…中間管理職の労働時間は伸びる一方…
    働き方改革…中間管理職の労働時間は伸びる一方…
  • 働き方改革…中間管理職の労働時間は伸びる一方…

働き方改革が進んでいる企業で「増加している」

   調査の構成は2本立て。管理職者の就業実態と負担感などを調べた「中間管理職調査」と、もう一つは「企業調査」で、中間管理職に対する課題意識と支援態勢などに聞いた。

   「中間管理職調査」は、全国の企業規模50人以上の企業の管理職(第1階層)が対象で、回答者は2000人。「企業調査」は、同規模の企業の人事部に所属する従業員を調査したもので、300人が回答。前者は2019年2月7、8日に、後者は同3月20、21日に行われた。

   政府の「旗振り」で、2018年から進められている「働き方改革」。企業によって取り組みの強弱が異なるが、調査結果によると、中間管理職の負担感は、改革が進んでいる企業群で増していることが示された。働き方改革が進んでいる企業群では、中間管理職自らの業務量が増加したとの回答割合が62.1%だったのに対し、進んでない企業群では48.2%。

   パーソル総合研究所では、改革による労働時間の削減で中間管理職にしわ寄せがきているとみており、改革に積極的なほどしわ寄せが強まっているようだ。

   「働き方改革」で悩みを深めることになってしまった中間管理職の人たちだが「中間管理職が抱える業務上の課題」を聞くと、最も多かった回答は「人手不足」(57.5%)。続いて「後任者不足」(56.2%)、3位は「自身の業務量の増加」(52.5%)だった。

   これに対して、企業の人事部が考える「中間管理職が抱える業務上の課題」は、1位「働き方改革への対応の増加」(52.0%)、2位「ハラスメントの対応の増加」(42.7%)、3位「コンプライアンスの対応の増加」(38.7%)という結果に。中間管理職本人は、人材や時間の不足を課題としてとらえているのに対し、人事担当者らの意識は法やリスクへの対応に向いており、食い違いがクッキリした。

   また「企業調査」の結果によると、中間管理職への支援について、約4分の1(24.0%)が「特に行っていない」と回答した。

姉妹サイト