住友電気工業を、狙っている。
「ワイヤーハーネス」の世界的な大手企業で、光ファイバーなど通信インフラで首位クラス。ワイヤーハーネスをメインとする自動車関連事業の売り上げが全体の54%(2019年3月期)を占めている。
光ファイバー、超電導、レドックスフロー電池(長寿命・高い安全性など電力系等用蓄電池に適した特性を持つ)などの基礎素材・技術でも定評がある。
電子制御に欠かせない「ワイヤーハーネス」
「ワイヤーハーネス」は、たとえば自動車のエンジンをボタン一つでかかるようにするなど、さまざまな機能を電子制御で動かす、その電子機器をつなぐ、電力や信号を車内のすみずみまで伝える役割となる製品だ。
住友電気工業のホームページによると、「人間にたとえると、血管や神経に相当する重要な部品です」と、書かれていた。
さらに「高強度アルミハーネス」について、「昨今の自動車は、低燃費、安全、快適性が求められ、それに伴い1台あたり20~30キログラムにもなるワイヤーハーネスの軽量化が重要になります」と説明。同社グループでは、従来の銅電線を用いていたエンジンハーネスに「高強度アルミ合金電線」を搭載して軽量化、低コスト化を図っているという。
そんな住友電工株は、2015年1月末に800株を保有したのがピークで、その年の5月18日に1850円の高値を付けたところで200株を売却(売却益は6万4000円)。17年1月には、1656円で100株を売却(売却益1万5000円)。同年2月には1850円で100株を売却(売却益3万5000円)した。
一方、16年2月9日に1380円50銭の年初来安値(当時)を付けたところを、1392円で100株を買い戻している。
これまでの経験から、住友電工株は1800円以上であれば「売り」と考えている。
株価変動が穏やかでわかりやすい、そのワケは?
住友電工株は、株価変動が穏やかで、素直に日経平均株価に連動する傾向がある。
2016年3月期~18年3月期まで3期継続して増益、増配(35円~46円)している。19年3月期も連続増益はストップしたものの、増配は継続している。
個人投資家にとっては企業業績が比較的安定していて、年2回の配当も期待でき、しかも13万円前後で取得できる住友電工株は、趣味と実益を兼ね備えた、格好の銘柄だ。
会社四季報・最新銘柄レポート(2019年9月25日号)によると、「2020年3月期予想経常利益は1.9%減と、減益の見込みだが、21年3月期は0.5%増益の予想」となっている。PBR(株価純資産倍率=1株あたりの純資産に対して株価が何倍まで買われているかを表したもので、1倍を割ると割安のサインになる)も0.71倍と大幅に1倍を割り、割安とみられる。配当利回りも、3.46%(9月24日終値)前後が期待できる。
買いのタイミングを誤らなければ、値上がり益を享受でき、年2回の配当も受け取れるため、保有株式の中に組み入れて、長期保有するには適した銘柄ではないかと考えている。
その「買い」のタイミングだが、最近、そろそろではないかと思うようになった。
米中貿易摩擦の再燃で、5月10日の日経平均株価は2万1344円。この日発表の住友電工の2019年3月期決算は、純利益が前期比2%減の1180億円だった。貿易摩擦の影響で、中国などから米国に出荷する製品について、関税負担が30億円増えたことが主要因とみられる。関税負担分がなければ、1210億円でほぼ会社見込みの1220億円に収まっていたと見てよいのではないだろうか。
もともと800株あった住友電工株は利益確定売りを進めた結果、保有株数が100株となり、今年5月7日に日経平均株価が2万1923円に下げたところを、1株1448円で100株買い戻した。
住友電工株は8月26日に年初来安値を更新している。1200円以下は安値圏と考えているので、資金の許す範囲でさらに買い戻しできればと考えている。8月26日の年初来安値、1175円50銭から1か月経過した9月30日には1371円50銭まで戻している。さしあたり1300円台が、買い値の目安になるかもしれない。
2019年10月 1日現在 200株保有 平均取得単価1473円45銭
年初来高値 2019年2月 5日 1598円
年初来安値 2019年8月26日 1175円50銭
直近 終値 2019年10月 1日 1398円50銭