【株と為替 今週のねらい目】1日から消費増税がスタート、景気への影響は?(9月30日~10月4日)

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   中東情勢をめぐる地政学リスクや米中通商協議に加えて、トランプ米大統領のウクライナ疑惑で政権への先行き不透明感が、株価や為替への新たな懸念材料として浮上している。日経平均株価は2019年9月26日に、年初来高値の2万2362円92銭(4月24日)を目前に上値が重くなった。

   10月1日から、消費税率の10%への引き上げと軽減税率の導入、幼児教育・保育の無償化などが始まる。消費増税をめぐって政府は、キャッシュレス化の推進などでも消費者の負担軽減を図っているが、その効果は......。

   どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • 10月1日、消費税率が10%に引き上げられる。(写真は、安倍晋三首相)
    10月1日、消費税率が10%に引き上げられる。(写真は、安倍晋三首相)
  • 10月1日、消費税率が10%に引き上げられる。(写真は、安倍晋三首相)

東京株式市場 配当の権利落ちは過ぎたけど......

日経平均株価予想レンジ:2万1800円~2万2200円

   2019年9月27日(金)終値 2万1878円90銭

   今週の日経平均株価は、もみあいが予想される。

   前週の日経平均株価は下落して、2万2000円を割り込んだ。ただ、前半は2万2000円近辺の狭いレンジでの動きで、27日の下落は9月期末の配当落ち分によるところが大きい。

   今週の日経平均株価は、利益確定売りによる上値の重さが意識されるうえ、トランプ米大統領がウクライナ大統領に軍事支援と引き換えにバイデン前副大統領親子の疑惑を調査するよう圧力をかけたとの内部告発と、これを巡る隠蔽工作の疑惑が浮上。米下院がトランプ大統領の弾劾調査を開始すると伝わっており、米国の政権運営に対するリスクが台頭してきている。

   一方、米中貿易摩擦問題では、ムニューシン米財務長官が中国との閣僚級協議を2週間後に開催することを明らかにしており、懸念は後退している。

   注目は、日米の経済指標。10月1日には9月の日銀短観、4日には米国で9月の雇用統計が発表される。

東京外国為替市場 日米貿易協定合意でドル買い

ドル・円予想レンジ:1ドル=107円00銭~108円50銭

   2019年9月27日(金)終値 1ドル=107円92銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、底堅い展開となりそうだ。

   前週のドル円相場は、ドルがやや強含みで推移した。トランプ米大統領のウクライナ疑惑が浮上し、リスク回避のドル売りも見られたが、日米貿易協定の締結合意などがドル買い材料に働いた。

   今週のドル円相場は、ドルの上値は重いものの、底固い展開となりそうだ。トランプ米大統領のウクライナ疑惑は、ウクライナ大統領が「トランプ大統領との電話会談は通常のもの、何の圧力もなかった」と発言したことで、市場は落ち着きを落ち戻しているものの、米民主党や下院がトランプ大統領の弾劾調査を行う予定で、予断を許さない状態だ。

   相場の材料となりそうなのが、日米の経済指標。米国では9月のISM製造業景況指数や雇用統計などの重要経済指標が発表され、国内では日銀短観の発表がある。

   経済指標は、国内では30日に9月18日、19日に開催された日銀金融政策決定会合の主な意見、8月の鉱工業生産、10月1日には9月調査の日銀短観、8月の失業率・有効求人倍率、2日に9月マネタリーベース、9月の消費動向調査などが予定されている。

   海外では、30日に中国の9月製造業PMI、10月1日に中国建国70周年の記念式典で習国家主席が演説、米国では9月のISM製造業景況指数、4日に米国の9月雇用統計と8月の貿易収支などが予定されている。

   なお、10月1日から消費税率が10%に引き上げられる。

(鷲尾香一)

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