中東情勢をめぐる地政学リスクや米中通商協議に加えて、トランプ米大統領のウクライナ疑惑で政権への先行き不透明感が、株価や為替への新たな懸念材料として浮上している。日経平均株価は2019年9月26日に、年初来高値の2万2362円92銭(4月24日)を目前に上値が重くなった。
10月1日から、消費税率の10%への引き上げと軽減税率の導入、幼児教育・保育の無償化などが始まる。消費増税をめぐって政府は、キャッシュレス化の推進などでも消費者の負担軽減を図っているが、その効果は......。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 配当の権利落ちは過ぎたけど......
日経平均株価予想レンジ:2万1800円~2万2200円
2019年9月27日(金)終値 2万1878円90銭
今週の日経平均株価は、もみあいが予想される。
前週の日経平均株価は下落して、2万2000円を割り込んだ。ただ、前半は2万2000円近辺の狭いレンジでの動きで、27日の下落は9月期末の配当落ち分によるところが大きい。
今週の日経平均株価は、利益確定売りによる上値の重さが意識されるうえ、トランプ米大統領がウクライナ大統領に軍事支援と引き換えにバイデン前副大統領親子の疑惑を調査するよう圧力をかけたとの内部告発と、これを巡る隠蔽工作の疑惑が浮上。米下院がトランプ大統領の弾劾調査を開始すると伝わっており、米国の政権運営に対するリスクが台頭してきている。
一方、米中貿易摩擦問題では、ムニューシン米財務長官が中国との閣僚級協議を2週間後に開催することを明らかにしており、懸念は後退している。
注目は、日米の経済指標。10月1日には9月の日銀短観、4日には米国で9月の雇用統計が発表される。