スマホ決済の「優劣」をつけるカギは......
では、スマホを使ったQRコード・バーコード決済が普及するカギは何だろう――。J.D. パワーの調査では、約9割の人が継続して利用したいと答えており、また回答者の半数以上は今後、利用金額を増やしていきたいと考えている。
この結果を見る限り、既存ユーザーは今後の利用におおむね好意的だ=下図参照。

一方で、セキュリティ不安の払拭は課題だろう。前回の記事では、キャッシュレス決済の利用経験の有無に関わらず回答者の50%は「不正利用されるのではないか」とイメージしていたが、QRコード・バーコード決済の利用経験者であっても66%の人はキャッシュレス決済のセキュリティに不安を感じている。特に女性はセキュリティ意識が高いのか、74%、すなわち4人に3人は不安を抱えているのだ。
セキュリティ不安の解消が重要であることは論を待たないが、特に女性が安心して利用できるセキュリティ体制の構築とその訴求は、一つの差別化ポイントになり得るかもしれない。
キャンペーンは魅力的でわかりやすい。しかし、未来永劫続くことはないだろう。決済機能の使いやすさや消費者に安心を与えられるセキュリティと、幅広い利用可能店舗網の構築などが、今後は決済手段としての「優劣」をつけ、かつ消費者の心をつかむカギになるのかもしれない。