ユーザーの満足度はどこで差がつくのか?
スマホ決済サービスの利用者の満足はどこで違いが出てくるのだろうか。J.D. パワーの調査では、総合的な顧客満足度を構成する主な5つの要因(ファクター)で分けて、それぞれがどの程度、総合満足度に影響を与えているかを明らかにしている。
調査によると、以下の円グラフのとおり、最も満足度に影響を及ぼすファクターは「キャンペーン/ポイントサービス」(26%)、「決済手続き/管理」(26%)であることがわかる。過去に類を見ない100億円規模のキャンペーンの影響力は調査結果にも如実に表れたといえる。
一方、「セキュリティ/不正利用防止対策」は14%、「利用できる店舗・ウェブサイト」は16%と、メディア報道での取り上げ方と比べて、利用者の満足度への影響は強くないようだ。また、「アプリのアカウント設定」は18%だった。
ところで「決済手続き/管理」とは、どのようなことを指すのか、もう少々深く掘り下げたい。調査では、(1)アプリ起動時の障害発生の経験(2)QR・バーコード読み取り時の障害発生の経験(3)利用内容や残金の確認しやすさ――の3項目について、利用時の状況を聞いているが、アプリ起動時、バーコード読み取り時に障害を経験した割合がそれぞれ1割程度存在した。また、7割弱は利用履歴や残額を「確認しやすい」と答えていることから、多くの利用者が、快適に使っていることがうかがえる。
大々的なキャンペーンに目を奪われがちだが、本来は決済手段の一つである。そのことを考えれば日々の利用でいかに不自由なく快適に使い続けることができるかを、サービスを選ぶ基準の一つに据えるのもありだろう。