止まらない出版不況 出版取次5年連続の減収、書店では「変革」の波が......

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書店大手の文教堂も事業再生へ

   全国出版協会の発表によると、2018年の「紙」の出版物の販売金額(推定)は、1兆2921億円で、前年比5.7%減と14年連続のマイナスとなっている。なかでも雑誌は前年度比9.4%減の5930億円で、21年連続の前年割れと厳しい状況が続いている。

   帝国データバンクの調べでは、書店経営の状況は、北海道で2019年5月以降、「喜久屋書店 BOOK JAM」(BOOK JAMK&S、千歳市)や、なにわ書房(札幌市)など著名な書店の倒産のほかに、中小規模の書店の廃業や閉鎖が相次いでいる。6月28日には、書店大手の文教堂グループホールディングス(神奈川県川崎市)と100%子会社の文教堂が私的整理である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請した。

   また、日本出版取次協会は3月、人手不足などの物流面の影響で中国・九州地方での雑誌や書籍の販売が発売日より1日遅れると発表している。

   厳しい経営状況が続く一方で、出版取次の大手、日本出版販売のブックディレクションブランド「YOURS BOOK STORE」が18年12月11日に、青山ブックセンター六本木店の跡地に、入場料を取る書店「文喫」をオープンするなどの、新しい試みがはじまっている。

   なお調査は、帝国データバンクの企業概要ファイル「COSMOS2」(約147万社収録)から、2019年9月時点での出版社、出版取次業、書店経営を主業とする4734社を抽出し「出版関連業者」と定義。売上高の合計や企業実態などを分析した。

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