セクシー発言よりもダメージが大きかったのは......
さらに、このフィゲレス氏は知る人ぞ知る「超大物」。国連気候変動枠組み条約前事務局長として温暖化対策の国際合意「パリ協定」をまとめた立役者で、今回もクリーンエネルギーを推奨する企業家たちとの会合に、進次郎氏を招いた張本人でした。おそらく、知名度の高い進次郎氏の「発進力」を期待してのことでしょう。
そんな、海外の超大物たちと「英語」で議論を交わしたであろう進次郎氏。記者会見も通訳を入れずに挑みましたが、この「通訳なし」が一つ目の誤算だったと思います。
会見の映像を観る限り、小泉氏の英語はなかなかのもの。時折、フィゲレス氏と笑顔を交わしながらの受け答えには、余裕すら感じました。進次郎氏を「味方」に取り込みたい「クリーンエネルギー推進派」の人たちには、きっと暖かく迎えられたことでしょう。
ところが、海外メディアはそんなに甘くはありません。進次郎氏が「次期首相候補」であることも、「発言が注目される」ことも百も承知のうえで、「見出しになる発言」を引きだそうと狙いを定めていました。
「なかなかの英語力」で「通訳なし」で挑むには、リスキーすぎたのではないでしょうか? 親しみやすさをウリにする「進次郎流」が裏目に出てしまったようです。
二つ目の誤算は、進次郎氏お得意の「遠くを見つめながら話す」映像が流れてしまったことでしょう。
会見で、「日本は化石燃料脱却へどのように取り組むのか」と質問された小泉氏。即答で「reduce!」(減らす!)と、お得意の断定調で勢いよく宣言しました。ここまでは想定どおりだったのでしょうが、海外メディアは甘くはありません。間髪入れずに「How?」(どうやって?)と、詰め寄られてしまったのです。
返答に詰まってしまった進次郎氏は、無言で数秒間、遠くを見つめてしまいましたが、これはNG。「空っぽ」に見えてしまいます。