韓国ユニクロ最大店舗の客は外国人ばかり
ところで、なぜこれほど長く日本製品不買運動が続いているのか――。韓国ではこれまで何度か不買運動が起きている。「新しい歴史教科書をつくる会」の中学歴史教科書採択が問題になった2001年、島根県が「竹島の日」条例を制定した2005年、その「竹島の日」式典に安倍政権が内閣府高官を派遣した2013年などだ。しかし、いずれも日本側企業に実害が出ないうちに短期間で終息している。
韓国紙にとっても大きな疑問のようで、中央日報(9月19日付)「コラム:長期化する日本製品不買運動の影」は、次のように分析している。
「不買運動が2か月を超えた。序盤だけ勢いがあり尻つぼみになっていたこれまでの不買運動とは違い、熱気が長く続いている。これにはネットユーザーを中心とした市民の自発的な参加、依然として改善しない韓日両国関係などが複合的に作用している。しかし不買運動が長期化するにつれて、あちこちで影も濃くなっている。日本の『経済挑発』に対する国民の『応戦意志』を確認したという意味はあるが、意図せず被害を受けている国民が続出している」
中央日報の記者は、韓国で最大のユニクロ店舗「ユニクロ明洞(ミョンドン)中央店」を訪れた。閑散とした状態だった。4階からなる各階には6~7人の客がいたが、韓国語を話す人々ではなかった。ユニクロ関係者は「普段は外国人と韓国人の顧客の比重が半々だが、最近は韓国人が20%もいない」と話した。
ユニクロは正確な売り上げ状況を明らかにしていないが、業界では不買運動以降、70%ほど減少したという分析を出している。
中央日報記者は、さらに日本専門旅行会社代表のキム氏から話を聞いた。キム代表はため息をついて、こう語った。
「日本旅行客の減少幅は統計上20~30%としているが、旅行会社が体感している程度ははるかに高い。旅行会社を利用する団体客は80~90%減った。グループの中で一人でも『今、日本に旅行に行くのはちょっとね』と言い出せば、全員取り消してしまうからだ」
キム代表は、日本旅行に行かない運動が日本にダメージを与えているという見解には懐疑的だ。むしろ韓国人にブーメランが返ってきている面が大きいと指摘した。
日本は現在、「2020年五輪観光客2000万人誘致』を目標に掲げ、すでに東京・大阪など主な地域の宿泊施設は飽和状態だ。確かに、対馬や九州など一部の地方では、韓国の日本旅行ボイコット運動が影響しているが、日本全体では大きな問題になっていないというわけだ。