サイトの誕生に二つの背景
「canaeru」がスタートしたのは、2016年12月。当時から、このサイトの責任者を務める、企画制作部の菊地崇夫部長によれば「canaeru」誕生には二つの背景があったという。
一つは、音楽配信事業に依存する体質からの脱却。音楽市場の縮小は店舗向けの音楽配信においても無縁ではなく、インターネットを使った音楽配信などサービスの多様化で「音楽への費用投下が抑制方向に進んでいた」事情があり、音楽配信事業に続く新たな事業が求められていたこと。もう一つは、以前から音楽配信以外にも店舗に必要な数々のサービスを取り扱っていたので、会社として「違うイメージを訴求」して成長につなげたいと、その転機を探っていたことだ。
以前から音楽配信をお店に設置するプロセスのなかで、光回線やWi-FiやタブレットPOSレジなどの提案サービスを行っていたのだが、音楽配信に比べて、その知名度は低い。そこでUSENの田村公正社長が菊地さんらに対策を指示。さまざまな議論を重ね、菊地さんは開業支援のウェブサイトを提案。それが2015年のころだった。そしてその1年後にスタートにこぎつけた。
当初は事業とは切り離し、USENを前面に出さず、開業関連の記事などを集めたコンテンツ重視の運営だったが、サイトへのアクセス数が徐々にアップするのに合わせ、開業資金や物件に関する相談を可能にする機能を起点に、開業の準備や開業後の運営にも役立つコンテンツをラインアップ。音楽配信サービスも含めてワンストップで済ませられる「canaeru」の需要が増加した。会社の成長に欠かせないマーケットの開拓に、ひと役買っているという。