9月19日を「育休を考える日」記念日に制定
「イクメン休業」制度は、まず給与面から「支援」。通常、育休期間は無給となり、雇用保険から休業給付金として賃金の約7割が支給される。賃金が減っては育休取得になかなか踏み切れないことが考えられることから、育休の最初の1か月を有給にしたほか、個別の事情を考慮して最大で4回にわたって分割取得できるようオプションを設けた。
業務面でも支援、協力体制を構築。育休についての「取得計画書」はその一つだ。一括取得、分割取得の別や取得期間を記載、休業中の引き継ぎ内容を明らかにして直属の管理職らと相談する。その対応は、業務によっては、セクションの枠を越えて行われることもあったという。
育休取得の支援体制は家族にまで及ぶ。「家族ミーティングシート」の制度がそれ。夫が「育休」で家にいることになっても、何もしないでいては妻の負担が増すだけで育休の意味がなくなる。そこで、このシートに育休中に家庭でどんな役割を担うのかを家族で話し合い、それを具体的に書き込んでもらうようにした。育休明けには、妻の評価や感想ともども提出してもらう仕組みも取り入れた。
仲井社長が発表した「イクメン休業」制度の取得実績は、この1年間に1163人が取得計画書を提出。582人がすでに休業を完了、531人が育休を「継続取得中」(いずれも、2019年8月末時点)という。つまり、「100%」取得を実現できたというわけだ。
これには、フォーラムに参加した厚生労働省の担当者や、研究者らが同社の取り組みを高く評価。「企業が率先して取り組むべき好例」「日本のリーディングケース」などの指摘があった。
また、パネルディスカッションでは、積水ハウスのほかにも、育休に力を入れている企業が紹介されたほか、「育休を考える日」が日本記念日協会から認定されたことを受けて、協会から仲井社長に認定証が授与された。