「スタジオアタオ」(3550)は自社ブランドの婦人用バッグや財布を販売していて、その半分がインターネットで販売されているのが特徴の会社で、リピーター比率が高いとされる。
神戸市に本社を置き、2006年に営業を開始。2016年11月に東証マザーズに上場した、急成長企業だ。
小売りとしてはかなりいい数字
【スタジオアタオ(3550)】
2019年8月30日現在で「買い」は見送り
年初来高値 2019年7月10日 1317円
年初来安値 2019年8月29日 637円
2019年8月30日終値 646円
同業他社のサマンサタバサリミテッド(東証マザーズ、7829)などと比べると、売上高や販売管理費が売り上げに対して低いのが特徴的だ。企業の稼ぐ力のモノサシとなるROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率、いずれも実績値)を見ると、どちらも30%近くあり、小売業としては、かなりいい数字とみられる。
しかし、直近の決算(2020年2月期第1四半期=2019年3月1日~5月31日)では、売上高、経常利益の鈍化により株価は下落している。
前年度の第1四半期での経常利益の業績進捗率は50%を超えていたのに対して、今期では37%と前年より13%も低い値となっている。
現在の株価は、地合いの悪さも相まって低迷状態であり、2020年度の業績予想に対するPER(株価収益率)は約13倍となっている。
ちなみに、第1四半期の売上高は14億7300万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は3億3000万円(同5.1%減)純利益は2億2900万円(同5.5%減)だった。
第1四半期決算に急ブレーキ、その原因は?
第1四半期決算での株価の下落からわかるように、ある程度のインパクトがあったように見える。業績鈍化の要因としては、二つあるようだ。一つは、スタジオアタオが展開するすべてのコンテンツおよび限定品を販売する「アタオランド」のオープンに向けた他店舗の休業期間や、店舗の移転や統合である。
一つ目の要因は一時的なものに見えるが、問題は二つ目だ。Googleのインターネット広告の単価上昇による販売管理費の増加だ。Googleの広告単価の上昇による下方修正や営業利益の圧迫は、他の企業の決算にも見られたが、インターネット販売が50%近くにも及ぶスタジオアタオにとってはかなりの打撃だ。
この状況を考えると、今の業績予想を下回ることを考えたほうがよさそうだ。第2四半期決算で、通期で下方修正した場合には、材料出尽くしと考えて逆張りが有効的かもしれない。「買い」は見送ることにした。
【株式取引ルール】
- 月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
- 投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
- 1年間のトータルで損益を競います。