ビジネスだけではない
前田さんは、プレゼンの重要なポイントの一つとして「相手の立場に立つ」ことをあげる。「だれに向けてするのかを明確にすることが大切。社内であれば上司の決裁、あるいは社長の決裁を取るという目標がある。そこに向かうこと。ありがちなのは、自分が懸命に調べたことをただ並べてしまうこと。聞いている方は結論を早く聞きたい」
プレゼンが社内だけのものなら、忠告や批評、また好評を含めてフィードバックがあり改善の手助けになるが、社外で不特定多数相手の場合は、そうしたことは望めない。企業横断的なプレゼンテーション協会は、社内だけの研修ではできないことも可能になるというわけだ。
プレゼンというと、ビジネスなどの特別なシーンを考えがちだが「じつは日常がプレゼン」と前田さん。「病院の診察室で医師に、症状を的確に説明できないと、それに合うクスリが処方されないかもしれない」と述べ、「きちんと伝えて相手の的確な行動を促す」ことは、日常のコミュケーションも業務のプレゼンも変わりがない。
ある調査によると「日本では90%を超える人がプレゼンを苦手と考えている」のが現状だが、改善を目指す人の方が機会に恵まれることもまた現実という。