スタジオアルタの復活劇 起死回生は新しい目線と発想、そこに必要な「人材」は...... (後編)

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デジタルサイネージを安定的な事業の「柱」にする

デジタルサイネージ事業を新たな柱にする(写真は、スタジオアルタの嶋田正男社長)
デジタルサイネージ事業を新たな柱にする(写真は、スタジオアルタの嶋田正男社長)

―― 「アルタスタジオ」の現状は、いかがでしょうか。

嶋田正男社長「社長に就任して半年で、アルタビジョンは契約増となり、収益は安定し、赤字月が解消されました。この経験を、オルタナティブシアターや三越劇場にも応用し、それぞれの強みを生かした運営を行うことで業績はV字回復。同時に、会社の働き方改革も断行し、人事制度や有休制度の整備も図り、今年は社員にボーナスを出すことができました。当社の取り組みは現在、三越伊勢丹グループ内で成功事例として語られています」

―― 「スタジオアルタ」の今後の展望をお聞かせください。

嶋田正男社長「今回、外部のプロ人材のサポートを得たことで、社内では得られない、真の他者の力を目の当たりにしました。さらに、今の延長線上に未来があるとは考えてはいけないということも実感しています。アルタビジョンでさえ、ずっと利用できるかはわかりません。常にリスクを考え、世の中の時流を読むことが大切なのです。
   現在、この2年間の経験で得た出会いと知見を、新たなビジネスチャンスにつなげる取り組みを始めています。伊勢丹新宿本店に提案して、2019年4月から、本館のエントランスの柱やメンズ館靖国通り沿いの壁面に、デジタルサイネージを設置し、広告動画の放映を始めました。伊勢丹が持つ資産をメディアとして生かし、広告による新たな収益源を獲得するというものです。
   今後、三越銀座店にもこうしたデジタルサイネージを設置する提案をしています。将来的には、デジタルサイネージを含む新規事業を、メディア事業、シアター事業に次ぐ安定的な柱として、育てていきたいと考えています。」

(聞き手 戸川明美)

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