「笑っていいとも!」終了、赤字転落...... 「復活」スタジオアルタ社長に聞いた起死回生策(前編)

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   東京・新宿「スタジオアルタ」といえば、お昼の伝説的バラエティー番組「笑っていいとも!」(フジテレビ系)だろう。「♪お昼休みはウキウキWatching~~~」のオープニングとともに、テレビに映し出される「アルタビジョン」と新宿東口広場の人、人、人。その生放送のスタジオに使われていて、華やかでにぎやかだった。

   そんな「笑っていいとも!」が、終了したのが2014年。それにより、株式会社スタジオアルタは売り上げの大部分を失い、赤字に転落することになる。陰陰滅滅たる状況で社長に就任した嶋田正男氏は、4期連続赤字からいったいどんな手で「復活」を遂げたのか――。

  • 「事業再生」の請負人(写真は、スタジオアルタの嶋田正男社長)
    「事業再生」の請負人(写真は、スタジオアルタの嶋田正男社長)
  • 「事業再生」の請負人(写真は、スタジオアルタの嶋田正男社長)

赤字7億円超からの「事業再生」を目指す

―― スタジオアルタの社長に就任した経緯を教えてください。

嶋田正男社長「伊勢丹に入社し、婦人靴のバイヤーを経て百貨店の統括部長となり、主に百貨店畑を渡り歩いてきました。特に力を注いだのが、系列百貨店のターンアラウンド(事業再生)。2000年代に入ると、特に地方の百貨店は商品調達がうまくいかず、業績不振にあえいでいました。私は自ら志願して、苦戦していた松山三越(愛媛県)に2年間出向。立て直しに奔走しました。伊勢丹出身者が、三越に単身で出向することは、当時としては珍しく、周囲の人たちからも驚かれました。
   ずっと順風満帆だったわけではありません。失敗も多く、浮き沈みの激しいキャリアでした。そんな私に突然、『2017年10月付でスタジオアルタの社長になってほしい』と打診があったのです。当時のスタジオアルタは、2014年以降4期連続の赤字で、累計赤字は7億円超にも膨れ上がっていました。
   そのうえ、私自身にはメディア・エンタメ事業のノウハウや知見、経験をまったく持っていませんでした。
   しかし、それまで苦戦している事業や店舗の支援に携わってきた経験から、半ば使命感で、『ぜひ、やらせてください』と、二つ返事で引き受けました。
   グループ内からは厳しい反応もありましたが、それでも、私は引き受けるなら、ターンアラウンドを目指したいと思ったのです」
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