リオデジャネイロの負けを東京で「復讐」する?
さらに、米国ではプロボクシングなどの格闘技を盛り上げるために、かなり前から「リベンジマッチ」と呼んだりし、日本にもそれが伝わってきている。
だから、競泳やプロ野球の選手が「リベンジ」と言ってもおかしくはない、という意見もあるだろう。でも、殴ったり蹴ったりの格闘技と、競泳やプロ野球とを一緒にするのは、適当ではないのではないか。
それに、2020年の東京五輪・パラリンピックには大勢の外国人がやってくる。そういう人たちに向かって英語で、たとえば「リオデジャネイロで負けたから、東京でリベンジする」などと言ったとしよう。
すると、「正々堂々と戦ったはずの試合に負けたからといって、復讐しようとするなんて、なんとも恐ろしい連中だ」などと誤解されかねない。
「再挑戦」というちゃんとした日本語があるのだから、恨みを持って復讐したいのでなければ、「リベンジ」ではなくて、再挑戦、あるいは「次は勝つ」と言うほうがいいのではないだろうか。(岩城元)