「8Kテレビ」でライバルをこき下ろす大人げない会見
こうしたなか、最高度の画素数を誇る「8Kテレビ」の分野でも、韓国内のライバルLG電子に苦戦を強いられるサムスンのなりふり構わない様子を東亜日報(9月18日付)「サムスンテレビを分解したLG、画質を比較したサムスン......『8K』巡り正面衝突」がこう伝える。
「サムスン電子とLG電子が、最高解像度の技術『8Kテレビ』の画質を巡って、激しい攻防を繰り広げた。9月17日、両社はそれぞれ『8K画質の説明会』と『8K技術の説明会』を開いた。言葉は説明会だが、事実上、お互いの8Kテレビの製品を比較実演しながら、他社の画質と技術力が落ちると主張する『貶(おとし)め攻防』が行われた席だった。今年から8K超高解像度テレビの大衆化が始まり、グローバルテレビ市場シェアで1位と2位を走る2社が、主導権を握るために激しいプライドをかけた戦いを始めた」
4Kテレビの画素数は830万個なのに比べて、8Kテレビの画素数は4倍の3300万個。視聴者は実物を見るような立体感と躍動感を感じることができる。この技術力を誰が先取りするかが、今後のテレビ市場の主導権を握るカギとなる。
「先に口火を切ったのはLG電子だった。17日午前、8K技術説明会を開いた。自社の製品とサムスン電子の製品を並べておいて、黒字に白の図形を映した後、『自社の方が鮮明だ。サムスンは基準を満たしていない』と攻撃したのだった」
これを伝え聞いたサムスン電子は激怒した。同日午後、急きょ「8K技術の説明会を開く」として150人の報道陣を集めた。LG電子の攻撃を「とんでもない批判だ」と反論した。自社のテレビとLG電子のテレビを並べて展示、画質を比較実演した。そして、LG電子がモノクロの画像をテストに使ったことを取り上げ、「LGはモノクロテレビの時の基準でも掲げているのか」と皮肉ったのだった。
この両社の大人げない記者会見を取材した中央日報(9月18日付)の記者は、こう茶化した。
「8Kは、来年の東京五輪にならないと実質的なコンテンツを視聴できない。放送会社のうち日本のNHKだけが8K送出装備・技術を保有しているためだ。値段もまだ一般消費者の手に届くものではない。LG電子の88インチ8K有機ELテレビは4900万ウォン(446万円)もする。サムスンの85インチ8K QLEDテレビは2390万ウォン(217万円)だ」