【日韓経済戦争】日本メディアは無視、韓国紙は大称賛! バッシング恐れず「韓国エール」を送る勇気ある芸能人

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   日韓関係が氷河期並みに冷え込んだ現在、うかつに韓国にエールを送るとインターネットなどでバッシングを受ける恐れが出ている。特に芸能界ではそうだ。

   そんななか、「韓国愛」を堂々と表す日本の芸能人がいる。日本のメディアがほとんど報じない彼らの活動を韓国紙から紹介する――。

  • 韓国芸人(右)と舞台に立つアキラ・コンチネンタル・フィーバー(ハンギョレ9月2日付より)
    韓国芸人(右)と舞台に立つアキラ・コンチネンタル・フィーバー(ハンギョレ9月2日付より)
  • 韓国芸人(右)と舞台に立つアキラ・コンチネンタル・フィーバー(ハンギョレ9月2日付より)

日本から韓国への旅行客は増えている!

   日韓関係がすっかり冷え込んで以来、韓国から日本への旅行客は激減したが、意外なことに、日本から韓国への旅行客は逆に増えている。聯合ニュース(2019年9月16日付)が「訪韓日本人 関係悪化も増加ペース維持=6~8月は13.6%増」の見出しで、こう伝える。

「日本の韓国向け輸出規制強化や、韓国の韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了決定などにより両国関係が冷え込むなか、韓国を訪れる日本人は増加ペースを維持していることが9月16日、わかった。韓国法務部によると、6~8月の訪韓日本人は89万6000人で前年同期比13.6%増えた」

   ただし、月ごとの増加幅を前年同月比でみると、6月が20.0%増、日本の輸出規制が始まった7月に入っても19.2%増とほぼ同じペースを維持したが、8月には4.8%増と一気にダウンした。

   これは8月から日韓を結ぶ韓国航空会社の路線が大幅に減った影響が大きいとみられる。政治・経済の対立に関係なく、日本の若い層の「韓国愛」は続いているようだ。朝日新聞が9月17日に発表した世論調査でも、29歳以下の若い層では、「韓国を好き」と答えた人が「嫌い」と答えた人を大きく上回っていた。

   そんななか、中央日報(9月10日付)「『韓国の方は日本人を気にしてくれている人はたくさんいる』 非難にも韓国擁護した日本のアイドル」が、元AKB48の歌手で女優の大島麻衣さん(32)の「勇気」をこう伝えている。

「『いろんなことがあったけど、ニュースだけ見て、韓国人怖いというのは違うかなと』。日本のアイドルスター、大島麻衣が9月2日に韓国旅行をしてツイッターに投稿したコメントだ。大島は旅行写真に『#こんな時こそ思いやり』というハッシュタグを付けた後、『今までよりも優しさに触れることが多くて、なんか嬉しいです!』とツイートした」

   そして、

「韓国のみなさんは普通に親切で、タクシーの運転手さんも降りるとき、『楽しんでねー!』と声をかけてくださいます。日本の方も外国人には優しくしませんか? 韓国だって一緒ですよ! いろんなことがあったけど、ニュースだけ見て、韓国人怖いというのは違うかなと。韓国に来て私は感じています」

とコメントしたのだった。

ネトウヨの総攻撃に一歩も引かない大島麻衣

   中央日報(9月10日付)が続ける。

「『嫌韓』をあおる一部の日本マスコミを指摘したものだ。大島はまた『私は自分の目で見て、感じて確かめたいタイプなので今回韓国にきました。感じたこと。やっぱり韓国が大好きだ!ということ』と付け加えた。コメントに同意する反応が殺到し、有名芸能人として政治関連の発言をすることに対して勇気があると応援する声もあった。だが、ネトウヨの嫌韓性の悪質なコメントも多く書き込まれた。『残念です』『もういいよ韓国住みな』などの非難だ。しかし、『嫌韓』と『人身攻撃性』の非難に大島は負けずに応酬した」
韓国旅行中の大島麻衣さん(本人のインスタグラムを載せた中央日報9月10日付紙面より)
韓国旅行中の大島麻衣さん(本人のインスタグラムを載せた中央日報9月10日付紙面より)

   大島麻衣さんは、芸能界でも大の韓国好きで知られる。韓国語検定2級と言われ、通訳なしで韓国人と対話できる。2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪の時はテレビ局の現地リポーターも務めた。

   大島さんのスゴイところは、自分のツイッターが大炎上しながら、9月18日現在、削除していないことだ。「そーゆーのもういいから。とりあえず竹島は日本の領土ですと言ってこい」「在日ではないよな」......。多くの「非難」に対して、こんな返答をしている。

「韓国の話するとキーキー言う人多いね。私が好きなだけで人に迷惑かけてない。好きなものを好きと言う。それだけ。シンプルな話。世界にはいろんな人がいます。気にしないで」

   ソウル市内で日本人女性観光客が韓国人の男に暴行された事件に対しても、大島さんは自身の意見を書き込んだ。

「人間性の問題です。私は日本で男性に声をかけられ怖い思いをしたこともあります。韓国人だから。ではなく、どこの国でもその人が危険な人なら危険ということではないでしょうか?」

   こうした大島さんの毅然とした態度を、中央日報(9月10日付)がこう称賛する。

「日本右翼の『嫌韓』コメントは絶えることなく続く。『危険度100%の韓国で、無事でよかった』『断交まで時間の問題。半島が好きとかいう変な人は今のうちに行って』。これに対抗して、『まいまい、まったく同感。好きなものを好きと言えない国なんて残念』などの応援コメントも書き込まれている。大島のツイートに対する賛否対立がさらに激しくなる様相だ」

危機一髪の状況で「韓国への愛情」示した三浦春馬

「韓国に敬意」と挨拶する三浦春馬さん(ハンギョレ9月2日紙面より)
「韓国に敬意」と挨拶する三浦春馬さん(ハンギョレ9月2日紙面より)

   一方、連続ドラマ「TWO WEEKS」で主演を務めた三浦春馬さん(29)は、8月28日にソウルで開かれた「ソウルドラマアワード2019」で、アジアスター賞を受賞した。ソウルドラマアワードは、世界61か国から270の作品が出品され、表彰される。表彰式に立った三浦さんが、現在の日韓問題に関して何を語るか、あるいは語らないのか、挨拶が注目された。

   ハンギョレ(9月2日付)「韓日対立の北風にも散らない花、『カルチャー』」は、三浦さんの発言に喜びと驚きを伝えている。

「三浦春馬が受賞の感想で両国関係の正常化に対する願いを述べた。『隣国として私たちはときどき難関にぶつかることもあります。でもお互いにもっと理解しようと努力すれば、このような難関をいっしょに解決できると信じています』。三浦春馬の感想は意味深長だ。彼は『韓日関係』という単語は触れなかったが、2分弱の受賞の感想を通して、両国の関係正常化に対する願いを示した」

   三浦さんは、さらに「エンターテインメントは人々を結びつける力があると思います。今後も作品活動を通じて、アジアの国々の絆を強める役割を担い続けたい。この場に立たせていただいたことで、より一層韓国の皆さんへの敬意と愛情を持ちました」とも述べ、大喝采を浴びたのだった。

   ハンギョレが注目したのは、三浦さんが日韓関係に関する発言をするのは容易ではない状況の中で、韓国にエールを送ったことだった。9月2日付のハンギョレが続ける。

「三浦春馬は、特に、右翼論争の的となっている映画『進撃の巨人』と『永遠の0(ゼロ)』に出演した俳優という点で目を引く。ドラマアワードの関係者は『日本で反韓感情が大きくなりつつあり、(韓国にエールを送る)受賞の感想で俳優が被害を受けはしないか、私たちが心配したほどだった』『日本の人気俳優がこのような発言をするのは驚くべきことだ』と話した」

   大島麻衣さんの例を出すまでもなく、日本の芸能人が「親韓」的な発言をすると、日本国内でバッシングを受けることを韓国の芸能関係者が心配したのだった。

   もう一つ、三浦さんには不安のタネがあった。「進撃の巨人」と「永遠の0(ゼロ)」が韓国内では「日本の右翼映画」との反発があり、その両方に出演していたことだった。もし、三浦さんが「日韓問題」にまったく触れなかった場合、逆に韓国内の反日世論を刺激する恐れもあったのだ。

   いったいどういうことか――。「永遠の0(ゼロ)」は、韓国の一部メディアから「嫌韓・右翼言論人」とされている百田尚樹氏の同名小説が原作だ。日本国内でも「特攻美化」「戦争賛美」との批判もあった。

   一方、「進撃の巨人」には「ピクシス司令」という重要人物が登場する。原作漫画の作者、諫山創氏が2013年、「ピクシス司令のモデルは陸軍の名将、秋山好古」と自身のブログで明らかにしたことから、韓国読者が「右翼漫画」と反発する事態になった。

   秋山好古は、司馬遼太郎氏の代表作「坂の上の雲」の主人公の一人だ。日露戦争で活躍、騎兵団を率いてロシアのコサック騎兵団を破り、国中を沸かせた。しかし、大正時代に1年間だけだが、朝鮮で日本軍司令官を務めたため、韓国ではいまだに「戦犯」と呼ばれている。そんな危うい中での三浦さんの発言だったわけだ。

韓国国旗まで振って笑いをとった吉本芸人

   同じハンギョレ(9月2日付)は、9月1日まで釜山で開かれた「釜山国際コメディフェスティバル」に参加した吉本のお笑い芸人たちの「韓国愛」をこう紹介している。

「日本最大のコメディアンの所属会社である吉本興業のウエスP、アキラ・コンチネンタル・フィーバーと、韓日のコメディアンたちで構成された5人組のギャグアイドルグループのKOKOONは、8月24~25日の公演『KOKOONとワールドワイド』を披露した。これらは韓日関係が悪化し、主催側がパンフレットから公演紹介をはずし、当初のタイトルだった『KOKOONと吉本』を修正するといった『過度な自粛』のなかでも黙々と公演を進めた」
「とんちんかんなマジックで笑いを誘ったアキラ・コンチネンタル・フィーバーは、公演中に太極旗(編集部注:韓国の国旗)を持ったり、『アイ・ラブ・コリア』と書かれたプラカードを見せたりするなど、韓国に対する愛情を隠さなかった」

   観客はわずか100人ほどだったが、吉本興業の韓国事務所関係者は「両国の関係がよくない状況にもかかわらず、観客はいい反応を見せてくれ、うちの芸人たちが感謝していた。文化交流レベルでも公演を続けなければならないと思った」と話したという。

(福田和郎)

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