外国人労働者の賃金格差、大きいほど離職率も高く 年功序列の日本型雇用では働けない!?

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新在留資格「特定技能」14業種、64%が雇用に消極的

   2019年4月の改正入国管理法の施行で新たに設けられた外国人労働者の在留資格「特定技能」は、人口減少やそれに伴う人手不足対策の一つ。調査で18項目の選択肢を示し、人材確保の優先順位を聞いたところ、「すでに外国人を雇用している企業」では41.2%が「外国人採用・活用強化」を1~3位に選び、高い優先度を示す。

   一方、「外国人材を現在雇用しておらず、今後雇用を検討している」雇用検討企業では「外国人採用・活用強化」を1~3位に選んだのは9.2%にとどまった。

   新在留資格「特定技能」で、14業種で外国人を雇用できるようになったことに関連し、特定技能での雇用について14業種に属する企業に聞くと、45.2%が「検討していない」と回答。「よく知らない」(18.4%)と合わせると63.6%の企業が消極的だった。「検討している」と答えた企業は34.0%だった。

   この調査を担当したパーソル総合研究所のリサーチ部研究員、高月和子さんは調査で明らかになった外国人と日本人従業員の賃金格差について、「『同じ職種の正社員』という条件での比較であるため、勤続年数などによる差の可能性もあるが、年功賃金的な従来の日本型雇用の枠組みに外国人を組み入れようとすると、せっかく採用した外国人材の離職を招く懸念がある」と指摘。対策として「外国人を単なる現場の人手補強として考えるのではなく、会社や組織ぐるみで働く環境を再構築していくことが求められる」と述べた。

   なお、調査は「自社の採用・人員計画に関わっている現場責任部門、人事・総務部門の従業員(課長以上)ないし経営者」を対象に、2019年6月21日~25日にインターネットで実施。企業規模は不問、外資系企業は対象外。調査対象のサンプル構成は「外国人材を現在雇用している企業(雇用企業)」が500、「外国人材を現在雇用しておらず、今後雇用を検討している企業(雇用検討企業)」と「外国人材を現在雇用しておらず、今後も検討していない企業(非雇用検討企業)」が250ずつの合計1000サンプル。

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