起業したい職種「小売業」と「コンサルティング」
起業に「関心がある」と答えた人たちでも、なかなか着手できないわけだが、起業に対して不安に感じていることや、起業にすぐにも踏み切れない理由があるとすれば、それは何なのか――。全年代を通じての1位は「自己資金の不足」で52.3%と、半数以上の人がチェック。次いで「資金の調達の難しさ」が39.3%、「収入減など失敗した時のリスクが大きい」が37.8%と続いた。資金面や収入面への不安が大きい。
年代別でみると、資金や収入面でのリスク以前の問題も。20代では「起業の方法がわからない」(40.3%)「各種手続きが煩雑そう」(38.9%)という回答の割合の高さが目立ち、30代でも、46.8%と半数近くが「事業運営に関する知識・ノウハウがない」と回答。「各種手続きが煩雑そう」(39.6%)は、20代より割合が高かった。一方、40代やシニア層では資金面への不安や収入減に対するリスクに回答が集中。キャリアの裏付けか、実務面についての不安は感じていないようだ。
起業に「関心がある」シニア層の起業したい職種は、1位は13.7%の同率で「小売業」と「コンサルタント業」の二つ。「飲食業」(13.3%)や「教育・学習支援」(10.0%)が続いた。これまでのキャリアで得たノウハウを活かしたいという意向が反映されているようだ。
また、「現在は起業しやすい社会環境と思うか?」の問いに、「あてはまる」と回答した人は、全体で25%以上となり、4人に1人は起業しやすい環境にあると感じているよう。「周りに起業し、成功した人がいるか」の質問に「いる」と回答したのは、20代では36.2%、30代で29.1%、40代で24.2%。シニア層では22.2%で、身近に手本となるような起業成功者がいることが示された。
なお、調査は2019年8月30日~9月2日に、20~69歳の有職者男女900人(一部6683人)を対象に、インターネットで実施した。freeeでは、調査結果について年代別に分析。令和になって初めて迎える「敬老の日」(9月16日)をとらえて「シニア起業の傾向」をまとめ、全体の結果ともども9月11日に発表した。