これも「人生100年時代」に備える動きなのか――。シニア層で起業意欲が増している。クラウド会計ソフトの開発・提供で成長してるfreee(フリー)株式会社(東京都品川区)が行った「起業」についてのアンケート調査でわかった。
定年後のセカンドライフを充実させる手段として注目を集めているようで、実務面での不安はなく意欲は旺盛だが、「資金や収入源」に不安をぬぐえないのが悩みのタネのようだ。
シニア層「具体的な起業イメージを持っている」
調査では「起業に関心があるか?」という問いに、シニア層(50歳~69歳)の28.7%が「関心がある」と回答。そして、「ある」と答えた人たちに「具体的にいつぐらいから実現したいか?」と聞くと、32.1%が「3年以内に」と答えた=下図参照。
20代、30代、40代では「関心があるか?」の問いに「ある」と答えた割合はそれぞれ、39.5%、42.4%、37.4%だった。また、「いつぐらいから実現したいか?」で「3年以内に」と答えたのは、20代で22.7%、30代が23.7%、40代は26.3%―― だった。
freeeでは、「3年以内に」と答えた割合が年代別ではシニア層が最も多かったことにについて、「若年層よりもシニア層のほうが、より具体的な起業イメージを持っていることがわかる」とし、社会の高齢化が進む中で、シニア起業がより一般的になる可能性があるとみている。
起業に「関心がある」と答えた人たちには、「なぜ起業しようと思ったか」と動機についても質問。シニア層では「自由に仕事がしたかった」が43.7%、「収入を増やしたかった」が28.7%、「退職後年金以外の収入も得たいから」の23.7%がトップ3。各年代を合わせた全体のトップ3では、「自由に仕事がしたかった」(46.0%)、「収入を増やしたかった」(34.5%)が1、2位でシニア層と同じだが、3位は「趣味・特技を生かしたかった」(23.3%)が入った。
「趣味・特技を生かしたかった」は、シニア層では23.0%で4位。また、ほかの年代で選ばれる割合が低かった「年齢や性別に関係なく仕事がしたかったから」(21.7%)、「定年後に社会とのつながりが欲しいから」(16.7%)などがシニア層では一定の割合を得ている。定年後のセカンドライフを充実させる手段として「シニア起業家」が存在感を増しているようだ。