日本の報復第3弾を見越してデュポンを買収したSK
SKハイニックスやサムスン電子など半導体大手企業の「日本からの独立運動」の動きも加速している。
朝鮮日報(9月11日付)「『日本の独走防ぐ』SKシルトロン、デュポンの半導体ウエハー事業買収」がこう伝える。ちなみに、半導体ウエハーは直径300ミリの円形の素材で、その上に回路を描いて裁断することで、最終的に爪の大きさほどの半導体を生産する。
「韓国唯一の半導体ウエハーメーカー、SKシルトロンが米化学大手デュポンのシリコンウエハー事業部門を買収した。買収額は4億5000万ドル(約484億円)。日本企業が独占する世界の半導体ウエハー市場にくさびを打ち込む狙いだ。今回買収したデュポンの事業部門は次世代のウエハー技術を確保している」
「世界の半導体ウエハー市場は、日本の信越化学工業、SUMCOが55%前後のシェアを占め、それを10%台のシェアでSKシルトロン、シルトロニック(ドイツ)、環球晶円(台湾)の3社が追う構図だ。日本が輸出規制を強化した場合、ウエハーの独占的地位を悪用するという懸念が浮上しているのはそのためだ」
つまり、今後の日本政府の輸出規制第3弾を「半導体ウエハーではないか」と読んで先手を打ったというわけだ。
一方、サムスンもついに「国産化」に成功した。ハンギョレ(9月3日付)「サムスン電子、『国産』高純度フッ化水素を半導体工程に投入」が伝える。
「サムスン電子が、国産の高純度フッ化水素を半導体工程の一部のラインに投じることに成功した。日本産の材料への依存度を低くするために、政府と業界の努力が続いているなかで一部の成果が現れた。これは7月4日に日本が輸出規制を強化してから約2カ月目のことだ」
また、聯合ニュース(9月4日付)「韓国産業相 素材国産化に成功した企業訪問」も中堅メーカーの成功を伝えている。
「ソン・ユンモ産業通商資源部長官が9月4日、京畿道安山市に本社を置く大韓光通信を訪問した。大韓光通信は光通信ケーブル、光ファイバー分野で40年以上にわたり競争力を維持してきた企業で、韓国で唯一、合成石英の製造技術を持つ。同社は、半導体基板に回路を描く工程で使われる部品向けの石英基板素材と製造工程の国産化に成功した。合成石英は96%のシェアを持つ日本メーカーが実質的に独占していた素材だ」
ソン長官は、大韓光通信の従業員たちに「政府は全方面にわたる支援を惜しまない。日本に対する高い依存を解消するため、政府と共に強い意思と努力で競争力を高めていこう」とゲキを飛ばしたのだった。
(福田和郎)