ジョンソン英首相へ「蜂の一刺し」! チャーチルの孫が放った痛恨のひと言とは(井津川倫子)

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   欧州連合(EU)からの離脱をめぐって、大荒れに荒れる英国議会。強硬姿勢を崩さず、EUとの「合意なき離脱」に突き進む「ボリス」こと、ジョンソン首相に逆風が吹いています。

   とうとう、議会を5週間閉会する「奇策」にスコットランドの上級裁判所から「違法」の判断を突きつけられました! 強気の「ボリス」も万策尽きたのか......。さらに、ある人のひと言が、ジョンソン首相を打ちのめしたと報じられています。

  • EU離脱に揺れる英国、ジョンソン首相はどうするのか!
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「祖父とは比べものにならないよ!」

   混迷を続ける英国議会。EUとの合意がなくても、10月末には離脱すると強硬な姿勢を崩さないジョンソン首相の「奇策」がことごとく「敗北」しています。「ボリス」のことですから、この状況が「計算づく」なのか、それとも「想定外」なのか、メディアの評価も割れています。

   そんななか、「ボリス」が尊敬するウィンストン・チャーチルの孫、サー・ニコラス・ソームズ氏が放ったこのひと言が、「ボリスにとっては一番の痛手」と、メディアの評価は一致していました。

Boris Johnson is nothing like my grandfather Winston Churchill
(ボリス・ジョンソンは、祖父のウィンストン・チャーチルとは比べものにならないよ!)
nothing like~:~とは比べものにならない、まったく別物だ

   ジョンソン首相が、第2次世界大戦当時の首相ウィンストン・チャーチル氏を尊敬しているのは有名な話です。2014年には、チャーチルの没後50年を記念して、伝記『チャーチル・ファクター』を出版したほど。この本で敬愛するチャーチルの人生を語りながら、「自分も首相になる!」と、決意を表明したともいわれています。

   皮肉にも、その敬愛するチャーチルの孫から「似ても似つかないよ!」とダメ出しされたジョンソン首相。度重なる議会での「敗北」よりも衝撃が大きいと報じられています。

   日頃からチャーチル元首相への「愛」を公言していただけに、孫のひと言で「公然と振られた」姿をさらすハメになってしまったのです。生前の祖父をよく知る孫のひと言は、まさに「蜂の一刺し」でした。

チャーチル元首相とジョンソン首相の類似点がある?

   じつは、チャーチルの孫のサー・ニコラス・ソームズ氏は、40年近く保守党の議員を務めたベテラン政治家です。今回、離脱延期法案に賛成票を投じて除名処分となった21人のうちの一人で、祖父が愛した保守党を追われる形になりました。

   しかも、ソームズ氏が保守党を追われた9月3日は、80年前に英国がドイツに戦線布告して、祖父のチャーチル元首相が政界に返り咲いた日と同じ日だったというから驚きです!

   歴史の織りなす技でしょうか。

   ちなみにソームズ氏は、チャーチル元首相の末娘の子どもです。幼い頃、「お前のおじいちゃんはスゴイ人だ」と近所の人から聞いて、本人にこう確かめたそうです。

You are the greatest man in the world?
(おじいちゃんは、世界で一番偉大な人なの?)

   これに対するチャーチル元首相の返答に、度肝を抜かれました。

Yes I am
(そうだ)

   なるほど、自分のことを「偉大」だと思っている点では、チャーチル元首相とジョンション首相は似ているかもしれません。

   ジョンソン氏が執筆した「チャーチル伝記」のサブタイトルは「How One Man Made History」(どうやって一人で歴史を変えたのか)。四面楚歌になっても動じない強さは、ここからきているのでしょう。

   政治家としてのジョンソン首相の評価を歴史はどう下すのか――。歴史が動く瞬間を、私たちは目の当たりにしています。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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