私が一家の「大黒柱」なのだ!
幸いにも、今まで貯蓄と投資はしっかりしてきた。ある程度の資産は持っている。だから夫は今の生活をそれほど変えなくても、なんとかなると考えていたようだ。
今ある資産を元手にして運用することもできる。そして新しい仕事で、いずれは今まで以上の収入を得ることができる。と、なぜか自信だけは持っていたようだ。
夫を変えることはできない。それは公務員を辞める話し合いのときに十分わかった。私が感情的に詰め寄ったとしても、喧嘩になるだけ。喧嘩をしても意味がない。そこで考え方を変えることにした。
私にできるのは自分の収入を増やすこと。子育てのために残業はしないようにしていたけれど、これからは残業もして、給与アップのために管理職を目指そう。私は1年間無我夢中で働いた。
結果、ストレスで体重は5キログラムも増加。顔にはブツブツができて治らなくなり、皮膚科で治療することに。こんな生活を定年まで続けなければならないかと思うと、ゾッとした。
この時はじめて、夫が仕事を辞めたいと言った気持ちがわかった。ストレスを抱えながら定年まで公務員として働き続ける自分の未来を描くことができなかったのだと思う。
でも、辞めたいと思っても、本当に辞めることはなかなかできない。家族がいて、生活をしていくためには収入が必要だ。転職をして収入が減ってしまったら、辞めなければよかったと後悔するかもしれない。新しい職場でもきっとストレスはあるだろう。
そんなふうに考えていたら、結局、今の職場でガマンして働き続けるほうが、まだマシだという結論になるのがふつうだ。
でも、私の夫は本当に辞めた。