日本車に取って代わるドイツと米国車
輸入車業界の関係者は「日本ブランドの不振は長期化するだろう。輸入車市場の版図が変わる可能性が高い」と分析。今後、日産以外の一部日本ブランドも韓国から撤退し、年間5万台規模の輸入車需要が別のブランドに移るという。その際、ドイツと米国のブランドが日本ブランドに取って代わるというのだ。
韓国経済(9月6日付)がこう予測する。
「まず、現在韓国輸入車市場シェア1位のメルセデスベンツ、昨年(2018年)の連鎖火災事件から約1年間不振だったBMW、排ガス不正でまともに販売できなかったフォルクスワーゲンおよびアウディは、すべて今年末と来年に向けて攻撃的なマーケティングを準備している。フォード・ジープ・キャデラックなど米国ブランドも、SUVおよび大型車人気で販売増加傾向にある」
また、これをきっかけに韓国企業も有利になるという見方もあるという。ハイブリッド車に強い日本車がいなくなれば、ハイブリッドのラインナップを整えているブランドは、韓国最大手の現代自動車グループと、2位の起亜自動車グループしかないからだ。
カルロス・ゴーン前会長の有価証券報告書の虚偽記載問題をきっかけとした経営の混乱と業績不振にあえぐ日産は9月9日、西川(さいかわ)広人社長が株価連動報酬で当初より多い金額を受け取っていた問題で引責辞任すると発表した。
(福田和郎)