ほかの日本車もよくない
もともと韓国内ではトヨタとホンダに押されていたところへ、不買運動の直撃を受けたというわけだ。もう1つ理由がある。日産自身の「お家事情」だ。中央日報(9月7日付)がさらに続ける。
「日産が韓国市場からの撤退を検討するのは世界的な業績悪化による全般的な構造調整とも関係がある。日産自動車は先月(8月)、2022年までにグローバル生産能力を10%減らして1万2500人規模の人員減員を実施すると発表した」
そして、実際に韓国内では人員削減の動きが始まっているというのだ。
「日産はルノーサムスン釜山(プサン)工場の生産台数のおよそ半分を占めるSUV『ローグ』の受託契約延長も中断した。ローグの輸出台数が年間10万台から今年6万台に減少したからだ。ルノーサムスン釜山工場側は日産との契約終了を受け、9月6日から希望退職の募集を始めた」
経済専門新聞の韓国経済(9月6日付)「日産、韓国撤退を検討...輸入車市場の版図に変化か」が、早くも日産の撤退を前提にして業界再編の動きを伝える。
「日産自動車の韓国市場撤退検討が国内輸入車市場の再編につながるのか注目されている。日産と(日産高級ブランドの)インフィニティが撤退すれば、韓国にはトヨタとレクサス(編集部注:レクサスはトヨタの高級ブランドだが、韓国内では別のブランドと見られている。日産とインフィニティも同様だ)、ホンダの三つの日本ブランドだけが残る。一部では今後、ほかの日本ブランドも撤退を検討する可能性があるという見方が出ている」
「日産とインフィニティは先月(8月)、韓国での販売台数が115台だった。韓日経済戦争が勃発する前の6月の販売(459台)と比較すると4分の1水準。前年同月(637台)比では81.9%も急減した」
もっとも、ほかの日本車もよくない。特にホンダの販売台数が大幅に減少した。6月の801台から8月は138台に6分の1に急減した。これは日産より悪い数字だ。トヨタとレクサスは善戦したという評価を受けたが、両ブランドともに6月と比較すると8月は半減した。日本車の輸入車市場シェアは6月の20.4%から8月は7.7%に落ちた。約3分の1に減ったのだ。