その97 レジ袋「削減」につながらない「有料」ごみ袋 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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   政府は使い捨てプラスチックを減らすため、スーパーやコンビニなどで配っているプラ製レジ袋の有料化を義務づける考えだ。2020年の東京五輪・パラリンピック前の実施を目指している。

   海や川に捨てられたレジ袋を飲み込んだクジラや魚が死んだり、野山や川がレジ袋で埋まったり...... そんな自然環境の破壊が世界各地で起きている。レジ袋の有料化はそれなりに結構なことである。

  • レジ袋は確かに、ごみ出しのときに便利なのだけど……。(埼玉県のわが家の近くで)
    レジ袋は確かに、ごみ出しのときに便利なのだけど……。(埼玉県のわが家の近くで)
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かなりの人がレジ袋を2枚、3枚と受け取っている

   だが、国連環境計画(UNEP)の2018年の報告書によると、すでにフランスやケニアなど40か国以上が、レジ袋の配布自体を禁じている。有料化だけでは、世界に後れをとっているし、果たしてどれだけの客がレジ袋を辞退してくれるだろうか。

   大手スーパーの間ではすでに有料化が進んでいて、たとえばイオンはレジ袋のLサイズを1枚3円にしたところ、自分で買い物袋を持参する客が増えた。レジ袋の辞退率は8割を超えているそうだ。

   だけど、僕にはこれがすんなりとは信じられない。というのは、僕がよく行く埼玉県の自宅近くのスーパー3店でも、レジ袋を辞退すると2円安くしたり、2ポイント(2円分)をカードにつけてくれたり、実質的にレジ袋を有料化している。

   しかし、僕が見たところでは、レジ袋を受け取る人は辞退する人よりもずっと多い。かなりの人が1枚から2枚、3枚と、レジ袋を受け取っている。レジ袋の有料化だけでは、それほどには辞退率が高まらないのではないか。

   その27(2017年9月20日付)で、すでに「レジ袋そのものが不要である」と書いたが、やはり世界の海や川、野山を汚すレジ袋をなくすには、配布自体を全面的に禁じるのが最善の策ではないだろうか。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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