【株と為替 今週のねらい目】緩む米中協議、英EU離脱への警戒感 一服していい?(9月9日~13日)

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   米中貿易摩擦の火ダネがくすぶるなか、2019年10月に米中閣僚級協議が開催されるとの報道で、世界経済の減速に対する警戒感が大きく後退した。その一方、英国のEU(欧州連合)離脱問題は新たな展開に。英国議会でEU離脱延期法案が可決されたことや、総選挙の早期実施提案の否決を受けて、「合意なき離脱」への懸念はひとまず遠のいた。

   とはいえ、トランプ米大統領の発言には要注意。英国のジョンソン首相は総選挙実施の方針を唱えたまま。国内では、11日に内閣改造と自民党役員人事が発表される予定。

   どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • 英国のEU離脱、「合意なき離脱」は遠のいた!?
    英国のEU離脱、「合意なき離脱」は遠のいた!?
  • 英国のEU離脱、「合意なき離脱」は遠のいた!?

東京株式市場 2万1000円台を維持できるか!?

日経平均株価予想レンジ:2万800円~2万1500円

2019年9月6日(金)終値 2万1199円57銭

   今週の日経平均株価は、2万1000円台を維持できるか、が焦点となりそうだ。

   前週の日経平均株価は、10月に米中の閣僚級協議が開催されるとの報道で、米中貿易摩擦に対する懸念が大きく後退したことで上昇し、2万1000円台を回復した。

   今週の日経平均株価は、前週に4日続伸するなど大きく反発したこともあり、上げが一服する展開となりそう。2万1000円台を維持できるかが注目される。

   米国の8月雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、雇用統計は景気後退につながる内容ではないとの見方を示している。米中貿易摩擦は10月に米中閣僚級協議が開催されることになり、リスク要因は後退しているものの、株式を積極的に買い上がっていく材料にも乏しい。

   来週にFOMC(米連邦公開市場委員会)とパウエル議長会見、日本銀行の金融政策決定会合と黒田東彦日銀総裁の会見という大きなイベントを控えていることも、様子見気分を強める要因になりそうだ。

東京外国為替市場 米国の追加利下げを織り込む動きか

ドル・円予想レンジ:1ドル=105円80銭~108円00銭

2019年9月6日(金)終値 1ドル=106円92銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、もみあいとなりそうだ。

   前週のドル円相場は、米国の経済指標が市場予想を下回ったことや米中貿易摩擦の先行き不透明感から、リスク回避のドル売りから一時は1ドル=105円台後半のドル安・円高となったが、10月に米中の閣僚級協議が開催されるとの報道を受けてドルの買戻しが入り、1ドル=107円台前半のドル高・円安となった。

   今週のドル円相場は、もみあいが予想される。一時1ドル=107円台に上昇したドルは、米国の8月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったことから、1ドル=106円台後半に下落した。

   来週にはFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えていることから、ドル円相場は米国の追加利下げを織り込む動きが予想され、ドルの上値は重くなりそうだ。半面、米中貿易摩擦に対する懸念が後退していることがドルの下値を支えている。

   経済指標は、国内では9日に7月の国際収支、4~6月期GDP(国内総生産)改定値、8月景気ウォッチャー調査、10日には8月工作機械受注、11日に7~9月期の法人企業景気予測調査、12日に 7月の機械受注、13日にメジャーSQ(Special Quotation=特別清算指数)算出日などが予定されている。

   海外では10日に中国の8月消費者物価・生産者物価、11日に米国の8月卸売物価、12日には米国の8月消費者物価、ECB(欧州中央銀行)定例理事会(ドラギ総裁会見)、13日に米国の8月小売り売上高などが予定されている。

   なお、11日には内閣改造と自民党役員人事が発表される予定。

(鷲尾香一)

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