「100年に一度」の転換点 「異業種への配置転換」で終身雇用は事実上終了(城繁幸)

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専門性を持ち、会社と交渉できる「新時代のエリート」

   新卒で入った会社で配属された職場で働き、会社に指示された業務を担当し続ければ、40代以降は出世や昇給で安定したキャリア後半戦を過ごせる、というのが終身雇用のルールだった。

   だが、今後は会社に奉公し続けても、ある日突然に畑違いの事業に配転され、「未経験」を理由に年功賃金をはぎ取られるリスクが誰にでも存在することになる。

   たぶん日本人のほとんどはこの変化に気づいていないだろうが、これは事実上の終身雇用の終焉だ。

   今後は、会社に忠実に全国を転勤したり、会社の求めに応じてキャリアを継ぎ足したりする人間はバカを見る可能性が高い。そういう人は会社にとって便利な存在ではあっても、必要不可欠な人材とはならないためだ。

   かわって、一定の専門性を持ち、会社と交渉できる人材が新しいエリート像として台頭するだろう。その兆しは新卒採用において、すでに現れ始めている。

   【参考リンク】「くら寿司、年収1千万円で新卒募集 幹部候補生10人を」(朝日新聞デジタル版 2019年6月3日付)

   すでに社会に出て久しいという人材であっても、会社との向き合い方について再考してみる価値はあるはずだ。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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