外務省官僚は「死神」茂木氏より河野氏留任を望む
では韓国メディアが茂木氏に期待するのはなぜだろうか。同じ中央日報(8月28日付)が、こう指摘する。
「茂木氏は最近大きな枠組みで合意した日米間の貿易交渉を主導した。自民党内の竹下派所属の茂木氏は、首相に挑戦するためのステップとして要職の外相を強く希望しているという。茂木氏には『仕事ができる完ぺき主義者だが、対人関係は円満でない』という評価がある。日本政界事情に明るい有力紙の幹部は、茂木氏が外相になる場合、外務省全体を完全に掌握するだろうが、『死神』のように恐ろしい外相を迎える官僚としては死ぬような思いだろう、と話した。このため外務省では河野外相の留任を望む声が多いという」
そして、こう結んだ。
「しかし東京の外交筋は『現在、日本の外交の方向は安倍首相と菅義偉官房長官の二人が主導するため、河野氏でも茂木氏でも誰が外相になっても韓日関係に大きな変化はないはず』と予想した」
結局、河野氏でも茂木氏でも「どっちでも同じ」ということだろうが、河野氏は9月4日と5日、米ブルムバーグとタイ・バンコクポスト紙に、相次いで英語で寄稿文を寄せた。「日韓関係悪化の責任は韓国にある」とする内容だが、「交替説の河野外相、2日続けて英文寄稿文で世論戦」(中央日報9月5日付)など、「最後の悪あがき」と酷評されている。
(福田和郎)