1日200件の飛び込み営業の果てに解雇
これと似た事案が先日、労災認定されました。
新入社員だった女性2人が「1日200件の住宅への飛び込み営業」などを課せられ、長時間労働が続き、さらに上司によるセクハラもあり、鬱病を発症。出社できない状態になり解雇されたのです。
会見の中でお二人は「愚痴は処罰の対象になるといわれ、同期との飲み会は禁止され、上司にも相談できなかった」ともおっしゃっていました。
私の知人も同様に、誰にも相談できず、死に場所を探して彷徨いましたが、家族の必死の捜索で自宅に戻り穏やかな生活を取り戻しつつあります。それでも以前のように、明るくエネルギッシュに仕事をするまでには、まだまだ時間がかかりそうです。
労働契約法5条は、
「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」
としています。
企業が社員にノルマを課すのは当たり前ですが、やはり実現可能な、そして心身を追い詰めない範囲の適切な設定をすべきと思います。
また、結果的にノルマ設定の結果トラブルが発生したとき、たとえば前述の営業先が反社会的勢力だった場合、ノルマ設定が適切でなかったために社員に過大な心身への負担が生じた場合などには企業は事故対応への支援や業務負担の軽減など、十分なフォローをする義務があるのです。(篠原あかね)